


英語の挨拶や会話の最後に“And you?”と問い返されることがあります。「あなたは?」と意見を求め、対話を促す問い返しであることは言うまでもありません。
「皆はどう思うの?」「何か気づいたことはある?」といった具合に白梅学園清修中学校の授業では先生方が折にふれて生徒に問い掛けます。一方的に講義をするのではなく、考えることを促す授業。それを可能にしているのが、電子ボードというツールです。
◆電子ボードを活用し、あらゆる角度から生徒を刺激
子どもたちの学習方法は一つではありません。耳で聞いて理解する生徒。手を動かすことで理解する生徒。画像や動きに刺激を受け、ひらめく生徒。子どもたちはあらゆる刺激から学んでいきます。
清修中学校の先生方は電子ボードを活用することで、生徒の様々な学習スタイルを考慮した授業を展開していきます。今回の数学の授業では「Π(パイ)」がテーマ。さっそく、鯉沼先生はパワーポイントを立ち上げます。
まず、世界の国々は円周率をどのように記憶しているのでしょうか。3.1415…を日本では「産医師異国に向かう…」と覚えるのに対してアメリカは“Yes, I have a number.”を使って記憶します。「これ、わかった人いる?」「あ、わかった。単語の文字数で円周率を表しているんだ!!」「そう、そのとおり」。
「では、円周率って一体なんでしょう?」電子ボードに円を描きながら説明が始まります。アルキメデスやオイラー、ビュフォンといった偉大な数学者たちがどのように解明してきたのか。パワーポイントや実際の実験風景を映し出しながら伝えます。
次々と目の前で展開されていく授業に生徒は食い入るように画面と先生を見つめます。うつむいて教科書を見つめている生徒はいません。そこですかさず先生から一言。「他の解き方はあるかな?」「あ、これは?」「そうだね、よく気づいたね」。
試行錯誤をしながら様々な解き方を見いだすこと。最短ルートだけがゴールへの道のりではないことを生徒は感じとったでしょうか。
現在清修中学校と同じタイプの電子ボードは、国内はもちろんロシア、ナイジェリア、サウジアラビア、メキシコ、ベネズエラなどへ輸出されているようです。世界中の子どもたちの学びを支援するツールを同校の先生方は巧に活用されています。
◆教員同士も学びあえる環境
各教室の後方のドアは常に開けられた状態で授業は進行します。取材中にも3名の先生方が教室を訪れ、見学しています。
戸塚先生は「自分の教科だけでなく、他教科も見ます。英語の授業ではイキイキとしている生徒。でも、数学ではちょっと元気がないな、など生徒の反応をお互いに共有するために、教員はいつでも自由に授業見学を行っています」と語ります。
「他の先生の授業を見ることは大変勉強になります。授業で使用したオリジナルプリントやパワーポイントはサーバーに保管してあるため、自由に閲覧できます。お互いのやり方を共有し、時にはアドバイスをもらいながら、教員も日々学んでいます」と鯉沼先生は語ります。
“And you?”という問い掛けは授業だけでなく、学園全体で飛び交っているようです。清修中学校のオープンなコミュニケーションが活気溢れる授業へとそのままつながっているのです。
最後に、数学の授業で生徒に提示された問題の一つが、2003年に東京大学の入試で出題された「円周率が、3.05より大きいことを証明せよ」という問題でした。これを中学一年生にさらりと出題してしまうのが清修スタイルなのでしょう。生徒たちは東大の問題だとは全く気づいていないようですが…。
■学校説明会 (要予約)
9月6日(土)
10月11日(土)
11月23日(日)
12月23日(火)・(祝)
1月10日(土)
■授業見学会 (要予約)
11月11日(火)
※上履き持参
■清修フェスタ&授業見学会
10月18日(土)・19日(日)