

07年に校名変更・共学化し、08年入試では120名の募集定員に対して延べ2985名もの応募者を集めた広尾学園。その驚異的とも言える同校の人気の背景には、これまでの学校と一線を画した取り組みがあります。
その中の1つが定期試験への取り組みです。
◆定期試験に込められた意味
多くの中高一貫校では、高校受験がないという長所を生かし、6ヵ年を大きく捉えた「一貫カリキュラム」を編成して大きな成果をあげてきました。しかしその反面、中学入試を終えたあと、次の目標となる大学受験が6年後という遠い将来となるため、目標を定められず勉強をしなくなるという問題もありました。それは「中だるみ現象」と呼ばれ問題視されてきました。
そこで広尾学園では、年5回の定期試験を、従来の学習成果の確認と併せて「生徒のモチベーションを高め、目標達成の感動を経験させる」(中学副校長・松尾教諭)ための取り組みと位置づけました。今回は、この取り組みの一端をレポートします。
◆生徒のモチベーションを高める「朝道場」
定期試験一週間前。学園にはいつもより早く生徒がやって来ます。目指すのは、正門を入ってすぐのラウンジ。そこには、中学の先生方全員がずらりと並んで生徒を待ち構えています。
やってきた生徒はそれぞれの担任の先生にノートを見せ、試験勉強の進み具合などを報告します。そして、それに基づいて的確なアドバイスをする先生。どちらの表情も真剣そのものです。このように試験前週間の朝、先生が生徒たちの試験勉強をフォローする時間が、今年度から始まった「朝道場」です。
ここで注目したいのは、朝の時間にラウンジで行うという点です。一番目立つラウンジという場所で「頑張る生徒」の姿を見せることで、他の多くの生徒に刺激を与え、学習意欲を高めることができるのです。
◆充実のフォロー体制 −解説授業の実施−
試験が終わると、各教科担当の教員が「解説授業」を行います。パワーポイントなどを効果的に活用し、間違えた部分や弱点をそのままにはせずに、丁寧に問題解説を行うのです。
またこの授業では、単に問題解説だけではなく、出題の意図やねらいまで解説します。そして各学期末試験の後には「解答・解説集」を作成し、生徒全員に配布。中学校版でおよそ300ページ、高校版ではおよそ600ページにも及ぶその厚さは、一般の参考書を遥かに凌駕するほどのボリュームです。
そしてこの「解答・解説集」を手に取ると、自分の学年だけではなく、他の学年の解説まで掲載されていることに気づきます。
実はここに学校の意図があります。松尾教諭は、「次年度の学習のイメージを与えることと、事前に試験に出そうなポイントを把握して授業を受けることを期待している」と語ります。
◆定期試験の「合格者」発表
同校では、試験の目標点数を超えなかった生徒には「補習」を行います。試験終了後に「合格者」(=補習免除者)を大々的に掲示します。
合格者の掲示は受験の時の合否発表と同じ場所で行います。その発表を緊張しながら待っている生徒の姿は、まさに入試本番での合格発表を見る受験生と重なります。
「教員は自分が教えている生徒が、目標を達成できるように、精一杯授業をして、試験問題を作成し、そして生徒の試験勉強をサポートします。」(松尾教諭)。さらに試験当日には生徒の頑張りを発揮してもらいたいという気持ちから、校名入りのえんぴつまで配布するという徹底ぶりです。
こうした激励を受け、生徒は試験を受け、あの「合格者掲示」の前に立つのです。
生徒はそのときに、忘れかけていた広尾学園に合格したときの「感動」を思い出すことでしょう。そして、また新しい気持ちとなり、学習意欲を喚起させていくことでしょう。
■学校説明会
9月13日(土) 10:00〜
■授業体験会
10月26日(日) 9:30〜
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