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修学旅行、生徒が作る 場所はクラス・班別に

2007年10月14日

 学校が決めた観光地を学年の全員でぞろぞろ回る――そんな修学旅行は過去のものとなりつつある。高額な費用に見合う、満足度の高い旅行にするため、行きたい場所を生徒が決め、グループごとに全国に散らばる学校も広がっている。

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地元産の野菜やテレビドラマに登場したお菓子を売る東京都町田市立南中の生徒たち=9月27日、大阪市中央区の千日前道具屋筋商店街で

 「生徒主体の修学旅行で、楽しみも想(おも)い出もグンとアップ」。流通経済大学付属柏高校(千葉県柏市)の学校案内にはそんなPRが躍る。2年生が行く修学旅行はクラスごとに行き先が違う。今年は1組が長崎と沖縄、3組は福岡と沖縄、4組は大阪といった具合だ。

 行き先を選ぶのは生徒自身だ。12月の旅行に向け、1組の小田聡一郎さんは「食べ歩きがしたくて店選びにこだわった。長崎の限定メロンパンを15個予約できました」、3組の岩本玲奈さんは「沖縄の渡嘉敷島で民家に泊まり、現地の人とふれあうのが楽しみ」と期待に胸をふくらます。

 学校が出す条件は、(1)国内(2)3泊4日(3)10万円以内(4)危険なことはしない――の四つだけ。広瀬清校長は「世の中で役立つ人材を育てるためには自主性や自発性を伸ばすことが大切だ」と話す。そこで01年から、クラスごとに行き先を決める方式に改めた。

 2年生の4月から、クラスごとに修学旅行委員4人が中心となって話し合う。行程や宿泊先、食事も旅行会社と週1回以上打ち合わせながら決める。学年主任の増田猛先生は「自由には責任が伴うということを学び成長しているようだ。話し合いを通し、クラスもまとまる」と効果を語る。

 如水館高校(広島県三原市)も05年から、生徒自身が行き先を決めている。条件は「10万円以内」だけ。昨年は徒歩で数十キロ移動した班もあった。最初は保護者らから「ケガをしたらどうするのか」といった懸念の声も上がったが、自由な発想を評価したいと規制はなるべく外した。

 1年生の2学期から1年かけて準備する。今年は「歴史文化」「自然環境」といったテーマごとに13班。うち5班は夏休みに、韓国やタイなどを訪問し、残り8班は10月下旬、北海道や東京、沖縄などに行く。

 少人数なので教員の目が行き届きやすいという思わぬ利点もあった。ただ、どうしても「楽しむ」になりがち。東風上(こちがみ)清剛校長には「地震の被災地でボランティアをやりたいという生徒が出てきてほしいのだが……」という悩みもある。

 高校だけではない。立教小学校(東京都豊島区)は、上高地や小笠原、沖縄など7コースから子ども自身が選ぶ。以前は京都、奈良だったが「レジャーの要素が大きすぎた。都会に住む子たちが自然を、きちんと指導員から学べるよう、少人数のコースにした」と西村由紀夫校長はいう。

 こうした学校の多くは「総合的な学習の時間」を利用して事前勉強する。さらに、日本修学旅行協会の村岡輝久事務局長は「どこの学校も教育効果を改めて考えるようになった」と分析する。アンケートを採ったり、いくつかのコースから生徒に選ばせたりする学校が増えているという。

 ●選ばれる側も必死

 「選ばれる」ため、受け入れ側も必死だ。

 大阪市では、商店街で修学旅行生が商品を売る取り組みが広がる。

 東京都町田市立南中学校の3年生は9月27日、中央区の千日前道具屋筋商店街など3カ所で、町田産の野菜や手作りのたこ焼きを売った。加島俊博校長は「寺回りが中心だがマンネリ化している修学旅行ではなく、充実した体験をさせたいと選んだ」と話す。

 10年前まで1位だった京都は、自然体験重視や飛行機利用の学校が増えた影響で一時苦戦。そこで、市は98年度から毎年、全国の中学や高校約150校を訪問し、誘致と同時に要望も聞いている。今年3月、歴史や観光情報を載せたホームページ「きょうと修学旅行ナビ」を開いた。

 奈良県は来年、情報冊子を関東の全中学校に配布する。県の担当者は「泊まってもらうため、朝と夜のプログラムを検討している」と話す。

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