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地上絵再現の簡単手法を考案 諫見さんに小柴賞 福岡

2009年6月9日

写真昨年12月22日、太宰府市の国分小の校庭に再現されたナスカの地上絵の実物大のハチドリ

写真諫見泰彦さん

 南米ペルーにあるナスカの地上絵を、実物大に再現する方法を考案して小学生に実践させている九州産業大工学部の専任講師、諫見泰彦さん(44)が第5回小柴昌俊科学教育賞を受賞した。小中学校で習う比例と相似の考え方を踏まえ、簡単な道具で絵を再現するやり方が評価された。

 同賞は、財団法人平成基礎科学財団が贈るもので、ノーベル物理学賞を受けた東京大特別栄誉教授の小柴昌俊さん(82)が賞金を投じて03年に設立した。毎年、小中高校レベルの理科や数学の教育に功績があった個人や団体に贈る。

 諫見さんは以前、長崎県の工業高校建築科で測量実習を教えていた。生徒の興味を引くため、空から全体を見渡せる宇宙人が描いたという説さえあるナスカの地上絵を題材にした。

 95、96年と文化祭で、授業で使うごく初歩的な測量器具を使ってコンドルやサルの絵を校庭に書かせると、漫然と測量の授業を受けていた生徒たちが、歓声を上げた。

 06年に九産大の専任講師になった諫見さんは、県内外の小学校での実践に取り組むようになった。ナスカの動物の精密な図をパソコンに取り込んで印刷した原図を元に、それを拡大する方法だ。

 昨年末の太宰府市立国分小の試みでは、原図を18のパーツに分けて90人の子どもたちに分担させた。原図の数倍の大きさのベニヤ板に、原図を張る。原図には絵の形に沿って画びょうを置く。それに対応するベニヤ板の位置にも画びょうを置く。すると、その2点を結んだ延長上に現物大の絵の点が決まる。「君たちが習った比例を使えば描けるんだよ」と励ましながら全長約110メートル、幅75メートルの絵を1時間半で完成させ、線上に並べた1200本のろうそくに火をともした。

 諫見さんは「ものづくりが好きなのは、物理の教師だった父譲り」と笑う。捨てられたテレビやラジオを片っ端から分解、修理していた。自分でも小学校6年のころは鉱石ラジオを作っていた。

 若者の理科離れを心配する諫見さんは「父はものづくりの楽しさを教えてくれた。テレビも家も、ナスカの地上絵も正確に測ることが基本。受賞を機に、より面白く子どもたちに伝えたい」と話している。

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