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中学受験模試ガチンコ 四谷大塚と同じ日にサピックスも

2010年9月25日

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 この秋、首都圏の大手中学受験塾が、受験判定のテストをめぐって激しい勢力争いを繰り広げている。難関校への合格実績をのばす「サピックス」(本部・東京都中央区)が、塾生向けのテストを今年度から新設。老舗(しにせ)「四谷大塚」(本部・東京都中野区)が実施する全国最大規模の模試と同じ日にぶつけてきた。「親会社の代理戦争」との見方もあり、関係者は行方を見守る。

 大手塾などが実施する首都圏の中学受験模試のうち、四谷大塚が約50年続けている「合不合判定テスト(合判テスト)」は、参加者が2万人を超える。開成中や桜蔭中など難関校を受験する小6の7割が合判テストを受けるとされる。ほかの大手塾からの受験も多く、サピックス塾生も合判テストを受けてきた。

 ところが、サピックスは今年度、約4700人の小6の塾生だけが受ける「実力判定テスト」を新設し、合判テストと同じ日にした。秋から冬の受験シーズンに向けたテストは4回で、今年は9月19日のほか10月17日、11月14日、12月12日に激突する。「あくまで日程の都合」と説明するが、「サピックス塾生がごっそり受けなくなると、偏差値が変わってしまうのでは」(四谷大塚に小5の息子を通わせる母親)と懸念の声もあがる。

 「異変」の背景には、大学受験予備校「代々木ゼミナール」(本部・東京都渋谷区)のグループ会社が今年、サピックスを買収したことがある。少子化や現役志向の高まりによる予備校生の減少に危機感を抱き、中学受験に目を向けたというわけだ。

 四谷大塚は06年に、大学受験予備校の東進ハイスクールを経営するナガセ(本社・東京都武蔵野市)に買収され、話題になった。代ゼミと東進は講師の引き抜きや衛星授業など大学受験指導で激しく競争してきた。試験日の競合は、その「代理戦争」と塾業界ではささやかれる。

 サピックスの動きに対応し、四谷大塚は、サピックスの午前のテスト終了後に、掛け持ちで四谷大塚のテストが受けられるように、午後の開始時間を1時間遅らせた。四谷大塚を運営するナガセは「サピックスの保護者は、塾生だけのテストで十分とは思わないだろう」と、「不動の位置」を強調する。

 サピックスに小学6年生を通わせる親の意見は分かれる。サピックスと四谷大塚のテストがあった9月19日。目黒区の教室に息子が通う母親はこの日の午後、四谷大塚のテストは受けずに、私立中の文化祭の見学に行った。「塾の試験でデータはとれると聞いている。掛け持ちは難しいですから」

 中野区の教室に娘が通う母親(46)は予備日としてもうけられた翌日の四谷大塚のテストを受けさせた。「サピックスの試験は難関校向け。それ以外の学校を受けるなら、四谷大塚のほうがいい」と戦略を練る。

 大手塾同士の激突は、中学受験にどんな影響を及ぼすか。森上教育研究所の森上展安代表は「これまでのデータと比較しづらく、受験生は合否の判定が大変だと思う」とみる。一方で、「偏差値はあくまで目安。この機会に、偏差値に一喜一憂せずに学校を選んでほしい」と話す。

     ◇

 大学予備校は、生き残りをかけて中学受験塾の世界に進出している。代々木ゼミナールは1957年開校。首都圏のほか札幌から熊本まで17都道府県に29校舎がある。サピックス小学部に先駆けて2009年にサピックス中学部・高校部を買収し、今年から東大進学に特化した現役高校生向け校舎も開校した。

 東進ハイスクールは85年開校。東京、神奈川、千葉、埼玉など8都県に88校舎がある。四谷大塚を子会社化したほか、早稲田アカデミーにも出資している。

 一方、首都圏では四谷大塚の合判テストに加え、日能研の「センター模試」、首都圏の塾35社でつくる首都圏模試センターの「統一合判テスト」が、中学受験の「三大模試」と呼ばれる。後者二つは、ともにサピックスや四谷大塚の塾生の掛け持ち受験はほとんどないという。(井上秀樹)

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