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オリジナル学級歌で固いきずな 福島・蓬田中、毎年創作

2010年10月19日16時3分

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写真:完成したばかりの学級歌「History」を練習する蓬田中の3年生=平田村上蓬田完成したばかりの学級歌「History」を練習する蓬田中の3年生=平田村上蓬田

 ♪たとえ小さな歩みでも 確かに進んできた♪――。福島県平田村立蓬田中学校(平田村上蓬田、生徒数110人)では2003年度から毎年、生徒たちがオリジナル学級歌を作ってきた。思春期まっただ中の子どもたちは、どんなふうに歌と向き合っているのか。「歌が生まれる学校」を訪ねた。

 9月27日の午後。蓬田中学校の音楽室には、混声合唱のハーモニーが響いていた。この日は、3年生(1クラス・34人)が音楽担当の久野(ひさの)雅敏教諭(52)と、3カ月余りかけて作詞・作曲した学級歌を担任に披露する日だった。

 教室全体が震えるような力強い歌が終わると、担任の木幡(こはた)健教諭(41)が立ち上がり「みんなが苦労して作り上げた歌。ひとつ一つの言葉を大切に歌っていこう」。

 同校では、久野教諭を中心に2003年度から学級歌作りに取り組んでいる。久野教諭は2校目の赴任校から本格的に学級歌作りを始め、5校目の現在まで、生徒とともに約400曲を作った。「教師になった28年前、中学校は校内暴力真っ盛り。歌であふれた学校にしたいと思った」。親子2代、学級歌作りを経験した生徒もいるそうだ。

 全学年全クラスが、毎年6月から歌作りを始める。「学級歌作成委員」を中心に、投票で決まったベースの歌詞を何度も何度も練り直す。できた歌詞を全員で朗読し、収斂(しゅうれん)したリズムやメロディーを久野教諭が楽譜に書き起こす「採譜」をして完成だ。久野教諭は「日本語の持つリズムやイントネーションにメロディーが備わっている。だから何よりも作詞が大切。メロディーは1時間でできることもありますよ」と言う。

 完成すると、朝・夕の「短学活」の時間、卒業やクラス替えまで毎日歌われる。卒業式では、3年間の歌がCDにして配られるそうだ。

 楽譜は毎年、出版社の文英堂が主催する「全国中学校文芸作品・歌曲創作コンクール」にも応募され、過去7年間で5度1位を獲得した。

 3年生は、男子3人、女子10人の学級歌作成委員を選び6月末から作業を始めた。作詞・作曲も3年目。歌詞はすぐにできた。だが、久野教諭は「お前たちにしかできない詞じゃない」と突き返した。瀬谷菜美さんは「フレーズだけだったら100回ぐらい書き直した気がする」。

 7月中旬ごろには歌詞をすべて消し、ゼロから再スタート。放課後に毎日1時間以上学校に残り「言葉との格闘」(久野教諭)を続けた。

 27日午前に完成した学級歌「History」には、2クラスだった1、2年生の時の学級歌のタイトルやその一部「ドンマイ」(1年1組)、「スーパーマン」(1年2組)、「一人じゃないから」(2年1組)、「ひまわり」(2年2組)をちりばめた。「1、2年生の自分がいて今がある」との意味が込められている。

 できたての歌を歌い終えた星江梨佳さんは「みんなの気持ちを取り入れるのに苦労した分、うれしいです」。塩田佳祐君は「学級歌っていう思い出があるから、みんなとずっとつながっていられる気がする」と笑った。

 金沢汐織さんは「あと半年なんだな、と思うと……。将来くじけそうになった時は、絶対に聴き直すと思います」。真っ赤になった目を何度もぬぐっていた。(小寺陽一郎)

     ◇

たとえ小さな歩みでも 確かに進んできた

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スーパーマンにはなれないけれど

できることなら何だって やってみせるよ

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