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危険から身を守ろう 東京都中野区立向台小・木田明男さん

2008年3月17日

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写真「ちゃんと鳴るかな」。防犯ブザーの操作を指導する木田先生=東京都中野区で、東川哲也撮影

 「こんな時、きみならどうする?」

 木田先生はそう問いかけると、プロジェクターを使った「紙芝居」を読み始めた。

 

 《ここは向台小学校2年2組です。……友だちがこうちゃんに「一緒に帰ろう」といいました。こうちゃんは「今日は急ぐから1人で帰るよ」とさっさと帰りました。歩いていると知らないおじさんが車から声をかけてきて……》

 

 「さて、お母さんが急病だから病院に連れて行ってあげる、乗ってといわれたらどうしますか?」

 「確かめる」と男の子。

 「どうやって?」

 「病院の名前を教えてという」

 次々と声が上がる。

 「すぐ逃げる」

 「大声をあげる」

 「110番する」

    ◇

 先生は「防犯」の授業づくりに取り組んでいる。

 いまの都会の小学生に「夜道は歩いちゃいけない」「知らない人に気をつけて」と注意しても、あまり現実的ではない。塾や習い事帰り、知らない人ばかりの夜道を日常的に歩いているからだ。「公衆電話で110番して」といっても公衆電話が少ない。「その場面場面で、具体的に教えていくしかない」と授業にした。

 紙芝居をすすめながら、「無理やり車に乗せられそうになったらどうする?」「そういう友だちを見かけたら?」と、矢継ぎ早に問いかける。

 「友だちがされていたら……防犯ベルを鳴らす」

 「後で似顔絵が描けるように顔をよく見る」

 「犯人の足をつかんで逃げないようにして、助ける」

 刑事ドラマのように想像が膨らんでいく子どもたち。

 先生は首をかしげて見せた。

 「本当に助けられると思う?」

 車に乗っている人から声をかけられたら、車の進行方向と逆に逃げるのが鉄則。すぐに追いつけないからだ。

 「まずは大声を出して、大人を呼ぶことだよね」

    ◇

 次は、防犯ベルの点検。

 「防犯ベルを鳴らすっていう答えも多かったけど、じゃあ、みんなのベル、持ってきてみて」と先生が提案した。

 ランドセルから外す子、首から外す子、ポケットから出す子……。1人ずつ鳴らしていくと、なんとクラスの4割ぐらいの子が鳴らない。電池切れなのだ。

 先生は「予想通りですね」と苦笑い。

 「間違えて鳴らすこともあるので電池は1年はもちません。時々点検しないとダメです。取り付ける場所も、ランドセルの横や下ではダメ。いざという時、手が届きませんから」

 中野区では、最近、自宅のマンションのエレベーターの中に子どもが連れ込まれる事件も何件か起きている。

 「エレベーターに連れ込まれたらボタンを全部押して、とにかく止める。エレベーターに乗る時はボタンのある側に」

 寂しい現実だが、アドバイスは切りがないほどあるようだ。

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