「臭くなーい」。川に沈めていたヘドロだんごを拾い上げ、においや大きさの変化を観察する杉浦先生と子どもたち=愛知県碧南市で
街を流れる堀川はとても臭い。水も濁っている。その川底に2カ月前から「ヘドロだんご」100個が沈められている。臭さ汚さを我慢して、3年生が地域の人と協力して作ったものだ。
「先週、川にヘドロだんごを見に行ったよね。だんごはどんな様子だった?」
杉浦先生がたずねると、「においが少なかった」「崩れてた」。次々と声があがった。
堀川のヘドロに、砕いた竹炭と、炭を作る時の煙からとれた竹酢(ちくさく)液を混ぜ、丸めて釜で焼いたらヘドロだんごの出来上がり。川の浄化・消臭作用があるという。
先生は一回り小さく、黒くなったヘドロだんごを配った。「昨日、堀川から取ってきました。まずこれを観察しましょう」
だんごに触ったり、においをかいだりしながら気づいたことをノートに書いていく。
この1年、学区内の川の汚れ具合や生き物を調べたり、地域のお年寄りに昔の川の様子を聞いたりしてきた。ヘドロだんごには「悪臭が漂うほど汚れてしまった堀川を何とかしたい」という気持ちが込められている。
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「では、見つけたことやわかったことを教えて下さい」
女の子が「川に入れる前のだんごの方が硬い」と答えた。
「川に入れてないだんごはきれいだけど、入れたのは真っ黒」
「入れた後は小さくなったよ」 どんどん続く発言を、先生は黒板に整理していく。
「いっぱい出てきたね。さて、堀川に入れたヘドロだんごをどう思いますか?」
「ごみとかヘドロを吸ったから黒くなったんだと思う」と男の子が答えた。別の男の子が「ばい菌と闘ってます」と続く。
先生は感心顔で「汚い川の中で一生懸命闘ってるんだね」。
女の子が「小さくなりながらごみを吸ってばい菌と闘って、頑張ってるなーと思いました」。
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「みんなもヘドロだんごだけに任せずに、できることを考えたいですね。どんなことをしてヘドロだんごに協力しますか?」
実は子どもたちは宿題で、環境を守るために自分に出来ることを、家の人と考えてきていた。
女の子が「使わない電化製品のコンセントを抜く」と答えた。
先生は教室にある黒板消しのそばに立ち、「電源が入ってない状態でも、実は電気を使っています。抜いとこうかね」と言って、コンセントを引き抜いた。
続いて男の子が「割りばしはあまり使わない。木を切り倒さないですむから。木は空気をきれいにしているのに、切り倒すのは環境に悪い」。
「子どもたちは川の勉強を続けながら『汚れたらいやだな。汚したくないな』と実感しました。そんな経験を通して、環境に対する意識が根付くのではないかと思っています」と、先生は話す。
先生は「環境のためにできることを続けてヘドロだんごを助けてあげよう。目標を一つ選んで2週間頑張ろう」と呼びかけた。
みんなの目標は、冷蔵庫を開けっ放しにしない、ご飯を残さない、電気をまめに消す……。ヘドロだんごに負けずに頑張れるかな。