「付箋を使って材料を整理すれば、作文が苦手な子もすんなり書き出せる」と話す水野先生=浜松市、山谷勉撮影
リコーダー演奏のコツを弟に伝えたい、サッカーを頑張っている自分をお母さんに伝えたい――。自分の思いを文章にして伝える4年生の国語。何を伝えてもいい。伝える相手は家族でも友だちでもいい。写真や絵を添えたパンフレット形式や「○○新聞」など、スタイルも自由だ。
子どもたちはインターネットや本で調べたり、友だちにインタビューしたりして「取材」を重ねてきた。この時間はその材料をもとに、文章の構成や内容の膨らませ方を考える。
まず4人一組の班になり、テーマや工夫しようと思うことを説明し合う。班内では全員が発表するので、「人に話すことで自分の考えが整理され、はっきりしてきます」と水野先生は言う。
次は班の代表がみんなの前で発表する。
「私は自然の楽しさを友達に伝えたいと思います。虫や植物がたくさんいることを知って、自然を好きになってほしい」
この女の子は「自然いっぱい新聞」を作るつもりだ。楽しく読んでもらうため、クイズも盛り込みたい。新聞にはるために自分で撮影してきた、赤トンボやきれいな小川の写真をスクリーンに映し出した。
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伝えるための材料は集まった。では、どう伝えたら相手に興味を持ってもらえるのか?
先生は、1人がテーマにしている「カメ」を引き合いに出した。
「カメの種類」「カメの弱いところ」「カメの大きさ」と書いた3枚の短冊を黒板にはる。
「一番知りたいと思うのは?」
手が多く挙がったのは「カメの種類」。「カメの弱いところ」「カメの大きさ」にも何人かが手を挙げている。
「人によって違うね。これは誰に伝えたいんだっけ?」
カメをテーマにしている子は「家族」と答えた。
「じゃあ、『家の人が知りたいのは何だろう?』って考えないとね。相手にとってどれがおもしろそうか、どれならわかってもらえそうか、集めた材料の中から探してみて下さい」
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文章は大きく三つに分ける。
「初め」の部分には、どうして伝えようと思ったのか、「中」には、伝えたいことの説明や中身、「終わり」部分には、自分が思ったことや考えたことを盛り込む、というのがいつもの書き方。
「足りない材料がないか、自分のメモを整理してみよう」
子どもたちはすでに、伝える内容を項目ごとに、青い付箋(ふせん)にメモ書きしている。それを厳選し、書く順番にB4判の「構成シート」に張っていく。付箋だから入れ替えが簡単。シートができたら、その順番で書いていけばOK、というわけだ。
ある男の子は、付箋を整理していて「初め」の部分がないことに気づいた。別の子は、もう1枚の付箋を構成シートに付け加えるかどうか思案中だ。書いて、はって、はがして、入れ替えて。みるみる文章の設計図ができていく。
「付箋を使った作文は1年生のころから続けています。整理して書けば相手に思いも伝わりやすい。子どもたちもすでに実感しているはずです」(斉藤純江)