「パソコンは、のこぎりやカッターと同じ図工の道具の一つです」と話す尾池先生(中央)=東京都八王子市
図工室をのぞくと、5年生たちが手のひらサイズのイスを作っている。ロケット形やケーキ形、お化けや花びらの形……。みんなが座ってみたい「夢のイス」。
できたイスを写真に撮り、自分の写真や背景画像と合成して、理想の場所で夢のイスに座る「バーチャル(仮想)世界」を作るのが狙いだ。
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イスの材料は、尾池先生が普段から集めている木片や布きれ、プラスチックケース、洗濯ばさみなど。子どもたちは自分のイメージに合わせて好きなものを使う。
男の子の一人はペットボトルでロケット形のイスを作っていた。横向きに置いて3人で座るのだという。丸いペットボトルは当然、転がってしまう。先生のアドバイスで、束ねたストローを側面に張って支えることにした。
女の子の一人は、逆さにした紙コップの上に黄色い毛糸を敷き、赤や緑の飾りも添えてケーキのイスを作った。「パフェの上に置いて座ったら楽しそう」
先生は忙しい。教室を回り、一人ひとりに声をかけていく。
「バーチャルな世界なので、イスの強度を気にする必要がない。自由な発想で作れるので、可能性は無限に広がります」
イスができたら、デジタルカメラで撮影する。
廊下に作った撮影コーナーは、バックに布を垂らしてあるためスタジオさながらのムード。子どもたちはモデル気分で楽しそう。万歳したり友達と肩を組んだり、夢のイスに座った自分の姿を想像しながら、本物のイスの上でポーズをとる。写真を合成した時にイスがよく見えるよう、ちょっと斜めに座るのがコツらしい。
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写真が撮れたら、合成はパソコンの画面上で。自分の座り姿と、夢のイスの写真を取り込み、画像処理のソフトで重ね合わせる。大きさと位置を調整したら「夢のイスに座った自分」ができあがり。さらに、宇宙や砂浜、お花畑など、あらかじめ用意していた背景画像に載せれば完成だ。
「手作り作品にデジタルの要素を加えると、また違ったおもしろさが生まれます。子どもたちの創造性も、現実世界よりずっと広がりますよ」
みんなの作品がそろったら、スクリーンに映して鑑賞会を開く予定だ。(斉藤純江)