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雪の結晶、どんな形? 札幌市立新琴似緑小学校・割石隆浩さん

2009年1月19日

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写真プレパラートの雪の結晶を子どもたちと観察する割石先生=札幌市、吉本美奈子撮影

 プロジェクターに、八つの模様が映し出された。

 「これ、何かわかる?」

 「雪の結晶!」

 「実物、見たことある人」

 5年1組の8割の手が挙がる。

 「えっ、こんなにいる? ホント? 雪じゃなくて結晶だよ」

 割石先生の驚きの声に、どんどん手が下がっていく。

    *

 北海道の子にとって身近な雪。身近すぎて案外知らないと、先生が知ったのは9年前、雪の授業を始めてからだ。

 「結晶を本当に見たことがある子は毎年1割ぐらい。除雪も行政がやってくれる時代、雪国の暮らしを驚くほど知りません」

 この日は雪の授業の導入。八つの写真を見て気付いたことから。

 「6本の線からできているものと四角いものがある」「地域によって形が違う」「温度とか湿度で形が変わるのでは」

 そう、一口に雪の結晶といっても、すべてが同じ形ではないのだ。ドキッとする意見が出ても、答えは言わず次の質問へ。

 「人類はいつごろから結晶を知っていたと思いますか?」

 「1500年前」「400年前」「江戸時代」「10世紀」……。

 意見のある子全員が、まず立ちあがる。自分と同じ意見をだれかが発表したら席に着いていく。これなら挙手する勇気のない子も意思表示できるし、人の意見をよく聞いて判断する訓練にもなる。

 プロジェクターに浮世絵を映した先生が「着物を見て」。

 雪の結晶の柄だ。

 「2千年以上前の中国の本に結晶のことがあります。日本では江戸時代に、こういう雪の結晶の着物の柄が流行したんだって。ずいぶん昔から知っていたんだね」

 さらに、質問。

 「結晶の出来方を最初に研究したのは、どこの国の人でしょう」

 「ロシア。寒い所だから」「カナダ」「中国」「北極」……。

 地図帳を出させ、国の位置を確認させている間に、こっそり男性のモノクロ写真を映し出した。

 「はい、この人です。実は日本人なんです。しかも札幌の人」

 「えー」。驚きの声が広がる。

 中谷宇吉郎。北大に碑がある物理学者で、1936年に世界で初めて人工雪を作った人物だ。

 「では、中谷博士に挑戦! 結晶の形が違う理由を考えてみて」

 「空の温度」「水の凍る量」「風と温度」「雲の中の風とチリ」

 次に、薬品で固めた結晶が載ったプレパラートを各班に渡した。

 「これ見て、相談してみて」

 3分後、意見を出し合う。男の子がとうとうと説明し出した。

 「雲の中の温度と風で一度形が変わり、雪が降る間の風などの環境でまた変わる。だからいま見た物より、もっともっとたくさんの種類の結晶があると思います」

 拍手が起きた。

 「詳しい解説は5年生には難しい。ただ、雪は迷惑なものという意識だけでなく、身近なすてきなものとして、よく見てほしい」と先生は考えている。

    *

 最後に、水蒸気の量と温度を軸にした結晶の形のグラフと、「雪は天からの手紙である」という中谷博士の言葉を紹介した。

 「天からの手紙だから、よく見ていこうね」(宮坂麻子)

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