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宮崎・川南町立東小学校・嶋田雄一さん

発表は根拠を示して

2009年3月30日

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写真「じさまぁっ? それとも、じさまっ?」。豆太が変化したところを尋ねる嶋田先生=宮崎県川南町、森下東樹撮影

 掃除が終わり、手を洗って教室に入ってきた子どもたち。すぐに国語の教科書の「モチモチの木」を、それぞれに音読し始めた。

 算数だったら計算ドリルをやる、理科だったら実験結果を予想する……。少しの時間も有効に使うのが3年1組の約束。

 あいさつが終わると、嶋田先生が、毎時間恒例の質問をした。

 「はい、この作品を書いた人はだれでしょう」

 1人が「斎藤隆介さんです」。

 全員で「あってまーす!」。

 繰り返して覚える。友達の発言には、大きな声をそろえて返事をする。これもクラスの約束だ。

 「モチモチの木」は、じさまと暮らしている5歳の豆太の話。夜に1人でおしっこにもいけない臆病(おくびょう)者だが、ある夜、腹痛に苦しむじさまを助けるため、暗闇のなか医者を呼びに行く……。

   *

 この日は「豆太は見た」という段落から、豆太の変化を読み取る授業。

 全員で音読後、「思ったことを書きましょう」と先生。

 みんな黙々と教科書に線を引き出した。その横に、そこからわかること、思うことを書き加える。

 先生は教室を回り、「いいねえー」などと言いながら、書き込みに○をつけていく。

 手法を「教え」、それを使って「考えさせる」という2段階の授業を目指す先生。実は2学期に、(1)会話文に込められた思いの違いに注目する(2)登場人物の行動の意味を前後の文から推測する(3)書かれている言葉を別の言葉で置き換える――など、読解の手法を徹底的に教えてきた。

 3学期は、子どもの考えを自由に発表させ、そこからさらに疑問を投げかける段階だという。

 5分後、今度は隣の人の意見を、各自の教科書に赤ペンで書き込み始めた。

 隣の人の意見も書き込むの?

 「この方法は子どもが発案しました。自分の意見を行間に書くことを教えたら、隣の人の意見も書いたらいい、赤で書いたら違いもわかると、どんどん意見が出て……。正しいかどうかより、読み取りの違いを知ることはいいことなので、採り入れました」

 続いて、書いたことの発表。

 「68ページの11行目を見てください。『じさまぁっ』と夢中でじさまにしがみつこうとしたとありますよね。怖がりだと思いました」

   *

 「69ページの6行目に『じさまっ』と、じさまにとびついたとありますよね。臆病だと思います」

 根拠となる部分を示したうえで意見を言う。これも2学期に全員に浸透させた方法だ。

 「69ページの11行目に、医者様を呼ばなくっちゃ、とありますよね。豆太は臆病だけど勇気があると思いました」

 「その後に、小犬みたいに体を丸めて、とありますよね。急いでいたんだと思います」

 先生は「その様子やってみて」と促す。

 男の子が前に出て、「ドアを開けるひまがないほど急いでいて、ふっとばして出て行った」と、解説付きで実演。みんな笑いながら納得した。

 「ところで、豆太はいつ、臆病者から変わったのかな?」

 (宮坂麻子)

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