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福島・郡山市立大島小学校・小野浩司さん

伝えたいことは何?

2009年4月20日

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写真小野先生は「ステキ!」と必ずほめ、それから少しアドバイスする=福島県郡山市、松本敏之撮影

 「図工の教科書で大切なものって何?」。小野先生が尋ねた。

 5年4組のみんなは、自分の教科書をパラパラめくりながら、手をあげる。

 「写真!」「タイトル!」「リード文!」「説明文!」「写真のキャプションかな」

 「そうだね。中でも重要なのはタイトルと写真だね。図工の教科書はイメージが大切。写真で作り方がわかれば、説明文がなくていい場合もあるよね」

    *

 この日の授業は、なんと「図工の教科書づくり」だ。

 以前の授業で「本物の教科書」を見ながら、コリントゲームを作った。板にくぎを打ってビー玉が転がる道を作っていく、パチンコやスマートボールのようなゲームだ。このゲームの作り方を自分たちのオリジナル教科書にしようというのだ。

 それぞれの工程は、デジカメで記録しておいた。普段からデジカメを使った授業をしているので、パソコンに取り込んでプリントアウトするぐらい、みんなお手のもの。その写真を教科書に使う。

 「実際の教科書を見てゲームを作り、さらに、そのゲーム作りの教科書も作る。一つの題材を通して二つの作品ができるわけです」

 「伝えあう」授業が、先生のモットー。友達同士、先生と子どもたち、作品を通じて「伝えたいこと」をつなげていく。

 今回、伝える相手は次の5年生。作業の前に先生は、出来上がる教科書で下級生たちに伝えたいこと、そのために工夫したいことを尋ねた。

 「タイトルにどきどき、わくわくと入れ、すぐに、これ作るのおもしろいかも?と思えるものにしたいです」と男の子。

 擬音語や擬態語を使ってイメージを伝える。いつも、国語などの授業で教えていることだ。

 「タイトルをのこぎりやトンカチの形の文字にし、使う道具がわかるようにする」

 文字の描き方一つで、メッセージの伝わり方が変わる。これも以前の授業で教えた。

 いよいよ着工。2、3人でグループごとに作業を始めた。

 紙をビー玉の形に切ってはり、コ、リ、ン、トと一文字ずつ転がるようなタイトルにするグループに、先生が近づいた。「ステキだね。ゲームの様子が伝わるね」

 二つのリード文のどちらを使うかもめているグループには、「どっちも紙に書いて、並べて比べたら?」とアドバイス。

 指示は極力避け、子どもたちのしようとしている方向へ、きめ細かく声がけしていく。

    *

 作業の途中、先生は手を止めさせ、「ほかのグループの工夫点を聞いてみよう」と提案した。

 「タイトルは明るい色で目立つように。そのほかの文は読みやすいような色にしています」

 「どうしたら作り方がわかりやすいか、写真の配置を考えました」

 それぞれの作品のポイント解説に、教室のあちこちで「すっげー」の声が上がった。

 「独創性やオリジナリティーばかり叫ばれますが、互いに刺激しあうことも大切だと思うんです。まねになったとしても、それはそれでコミュニケーションの一つです」(宮坂麻子)

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