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愛知・名古屋市立八幡(やわた)小学校 水野克則さん

驚きから応用へ導く

2009年7月27日

写真「角と辺と頂点の数は?」。水野先生の質問に元気よく手を挙げる子どもたち=名古屋市中川区、恵原弘太郎撮影

 「小さい子に、四角形ってなあに?と聞かれたら、何と答えますか」

 4年2組の算数の授業で、水野先生が尋ねた。今日は四角形の単元の導入。みんなはすでに、垂直や平行、角度について勉強している。早速、言葉で説明することにした。

 「かどが四つあること」

 「四つの角が直角で、同じ長さの線が四つある」

 「テレビの形に似ている。線はぐにゃぐにゃじゃなくて、まっすぐになっている」

 実際、方眼紙に描いてみた。物差しや三角定規などを使って描くと、先生は何人かの四角形を、テレビ画面で拡大して見せた。正方形、長方形に続き、ひし形が登場すると、「おーっ」と驚きの声が上がった。

 「正方形を斜めに描きましたが、こういう描き方は難しいね」。先生が言った。正方形の置き方を変えただけで、違う形に見えてくる。みんなの四角形に対する見方が少しずつ変わっていく。

     *

 今度は先生が示した七つの図形について考えた。正方形、長方形、平行四辺形、ひし形、細長いダイヤモンド形などだ。

 ある子が「四角形じゃないものもあるよ」と言うと、別の子は「ダイヤモンド形が違うんじゃないかなあ」とつぶやく。

 みんながそれぞれの図形の角と辺と頂点の数を数え、表に記入すると、「ぜーんぶ4だ!」。

 先生は「見たことのない形もあって不安に思った人もいるだろうけれど、形は違っても、角、辺、頂点の数は四つだね。逆に、全部四つでもいろんな形ができるんだ」と説明。「四角形には四つの角と辺と頂点がある」と、自作のプリントで共通点を確認した。

 先生のプリントは約30年かけて作ってきたものの集大成。単元ごとに用語解説、問題、クイズ、数学史のコラム、ショート問答まで面白い話がたくさん載っている。

     *

 正方形や長方形だけが四角形ではないことが分かったところで、「みんながびっくりするような四角形を作ってみて」と先生が水を向けると、みんなはワクワク顔。

 先生は「点を四つ打ってから線で結んでみるといいよ」と、いろいろな四角形を簡単に描くためのアドバイスをくれた。

 子どもたちは、方眼紙の線と線が交わったところを使って、思い思いに四つの点を打ち、定規で線を引いた。すると、踏み台をひっくり返したようなもの、V字の形、それを少し太くしたブーメランに似た形……と、多彩な四角形がどんどん増えていった。一人で10個以上描いた子もいた。

 「これ、ちょっと不安だけど」と言いながら描いた子らの図をテレビ画面で大写しにすると、「おーっ」「なんじゃ?」。三角形の1辺がへこんでいる。

 「こんなの四角形? いいのかな?」と先生が聞いた。数えてみると、角も辺も頂点も四つ。「いいんだね」と納得。へこんだ四角形は「凹(おう)四角形」と呼ぶことを習い、みんなのイメージは殻を破ってより大きく膨らんだ。

 小さい子に聞かれたら、今度はどんな説明をするのかな。(山根由起子)

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