久が原どんぐりルーム・坂井加代子さん
2009年8月17日
絵が説明できたら坂井先生が花まる!=東京都大田区、安藤由華撮影
「漢字はどうやって練習してる?」と坂井先生が尋ねる。
「8マスずつ書いてる」
「ノートに何回も書く」
小学1年から3年の3人が答えた。「では」と先生が見せた紙には、「亀」の旧字体。「今日はこの漢字を覚えます」「ええーっ!」
まずは数秒、字をじっと見つめさせる。次に目を閉じて頭の中で書かせてみる。思い出せない部分をもう一度見て……紙を伏せてノートに書かせた。
「書けたー!」
3年生の子が、見事に書いた。
「イメージでとらえることを大切にしているんです」と先生は言う。
*
ここは「絵で解く算数教室」。全国にある「どんぐり倶楽部」の準拠教室の一つで、年長児から4年生までが週1回、1時間ずつ学んでいる。
坂井先生は、かつて、大手の進学塾で国語や算数を教えていた。しかし、息子が小学生になり、速さを求めて反復の勉強をさせるうち、家庭での勉強は嫌がるようになってしまった。そのとき見つけたのが、どんぐりの「絵で解く」勉強法だ。
「進学塾の多くは、先取り問題を出し、少し考えさせたらすぐに黒板に図を書き、式の組み立て方を教えます。子どもは解き方を覚え、速く解くだけ。数のイメージはふくらみません」
この教室では、文章題しか解かない。しかも、すべて絵で描き、目で考えさせる。700の問題から、その子にあったものを選ぶ。この日は、3年生の女の子に、次の問題を渡した。
《ミミズのニョロは3色の宝箱を見つけました。赤の宝箱には黄色より4個多い宝。黄色の宝箱には青色より2個少ない宝が入っています。宝箱を開けたらみんなで30個の宝がありました。赤色には何個の宝があったでしょう。》
女の子は真っ白なノートに色鉛筆で3色の宝箱を描いた。色を使ってわかりやすくするのも、ここの手法だ。
続いて、赤の宝箱に4個、黄色の宝箱に2個の宝を描き、
30−4−2=24
24÷3=8
8+4=12……で、答え12個
と書いて、「できました!」。
「じゃあ、説明して」。解けたら絵を説明するのがルールだ。
「赤は黄色より4個多いから四つ宝を描いて、黄色は青色より2個少ないから……。あっ、まちがえた!」。先生はニヤリ。答えは正解だったが、この絵では、黄色の宝箱に2個描いたため、「8」がどの宝箱の数かわからなくなってしまった。
修正して、今度は、答えを確かめるための筆算。「暗算はしないで筆算で」もルール。思考の経過を目で確認させるためで、消しゴムは使わない。
*
1時間かけて、小学2年生の男の子は4問。1年生の女の子は、1問をじっくり解いた。
「まとめてやらない。ゆっくり、じっくり、ていねいにというのもルールです」と先生。
もし、最後まで解けなかったら?
「1カ月待って、もう一度やったら解けますよ」(宮坂麻子)
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