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香川・さぬき市立志度小学校・石原清貴さん

角度使って長さ測る

2009年9月21日

図

 「昔々、インドの山奥に――」

 石原先生の算数の授業は、自作の物語をみんなで読みつないでいくことから始まった。舞台は、深い谷をはさんで向かい合っているフント村とホント村。谷底には川が流れており、ここに橋をかけることになった。

 4年「は組」では、三角定規や分度器の測り方など、角度について勉強してきた。みんなは村人と一緒に川幅を測るうまい方法を考えてみることにした。

 「木に巻き付けたロープを向かいの村に投げる」

 「物差しを半分ずつにして、それぞれの村から測っていく」

 「長い竹をつないでいき、目盛りを付けたら?」

 「長い巻き尺をたこにつけて飛ばす」

 さまざまな意見が出たところで、物語は次の場面に。みんなで登場人物の役を割り振って、せりふを読み進めていく。

 向かいの村へロープを投げようとした人たちは成功せず、ロープを渡そうと手に持って川を泳いだ人々は激流にのまれて死んだ。ところが、ある日、分度器を持った坊さんが村にやって来た。そして、橋をかけるのは「かんたん」と余裕の表情を見せた。

 そこで先生は、机を左右にどけて教室の真ん中に空間を作り、ビニールテープを数本流して川に見立てた。突然の川の出現に、みんなは大喜び。両岸はホント村とフント村とした。物語と同じように、ホント村の川岸のがけに赤い旗、フント村のがけに白い旗を立て、双方の旗を結んだ直線が岸と垂直になるようにした。

 次に、先生はフント村の白い旗から川岸に沿って歩き出し、対岸のホント村の赤い旗を見通す直線が、分度器の45度と重なる地点に赤い旗を立てた。「歩いた距離は45メートルとします」

 ここで、45度と90度の角を持つ大きな三角定規を取り出し、「これが橋の長さを解くカギになります。自分の三角定規を調べてみよう。みんなの知恵の見せどころじゃ」と言った。

 悩んでいる子には、正方形の色画用紙を使って説明。対角線で半分に折り、三角形を作り、辺の長さに目を向けさせた。

 しばらく考えた後、女の子が意見を発表した。「三角定規にも直角がある。直角から出ている2本の辺は同じ長さだから、白い旗から赤い旗までの長さは、どちらもいっしょになる」。つまり、川幅も45メートルになるというわけだ。

 先生が3本の旗にビニールテープをまわすと、直角二等辺三角形の定規と同じ形が現れ、女の子の意見が裏付けられた。「昔の人は、実測が難しい川の幅を角度と三角形のきまりを使って測りました」

 先生が「角度の勉強って何のためにするんだろう、と思っていた人は?」と聞くと、数人が手を挙げた。

 「三角定規や分度器で角度を測るのは面倒くさいね。でも角度を使うことで、測れない未知の長さが測れるようになる。そこに意味があるんだよ」

(山根由起子)

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