現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 教育
  4. 小中学校
  5. 花まる先生公開授業
  6. 記事

ニューデリー日本人学校・木村さやかさん

地震は世界中で

2010年3月22日

写真「震源はどこになるかな?」。地図を見ながら生徒たちにたずねる木村先生=ニューデリー、Ajit Kumar氏撮影

 「日本とインドの地震を比較しよう」。木村先生が中学部1年の理科でテーマを示した。

 前回、クラスの13人に地震を体験した場所を聞いたところ、日本が12人、インドが3人だった。

 「日本で地震を体験した時、どのように揺れを感じた?」。女子生徒が、指を前後に小刻みに動かしながら「ひもが揺れる感じ」。

 「もっと揺れた人は?」

 宮城県で大地震を体験した男子生徒が、「はじめはちょっとずつ、その後の揺れは、ガガーッとなった」と紹介した。

     *

 地震の初めと途中で揺れ方が違うことに、先生は気づかせたい。

 1995年のマグニチュード(M)7.3の阪神大震災(兵庫県南部地震)と、2001年のM8.0のインド西部地震について、地震計が記録した揺れの様子を示す波形のプリントを配った。

 どちらの地震でも、小さな波形の後に大きな波形が続いている。

 先生は図を示しながら、「地震の揺れには二つあります。初めの小さな揺れを初期微動、あとからくる大きな揺れを主要動と言います」と説明した。

 次に、先生は、インド西部地震のときに宮城県津山町(現・登米(とめ)市)で観測された波形を見せた。

 「インドは日本から遠いけれど、地震の波が宮城県にも伝わっているんだよ」

 「えーっ」。教室にざわめきがおこった。

 「地震の揺れはどのように伝わるのかな? 場所によって震度の大きさに違いがある? 決まりはあるかな?」

 「波紋」とつぶやく声がして、男子生徒が両手を左右に広げて、「水に物を落とした時に波が周りに伝わっていくみたいに、だんだん伝わっていくんじゃないかな」と、自分の予想を話した。

     *

 実際、観測データをもとに、阪神大震災とインド西部地震について、地図上で震度や地震発生時刻の分布を調べ、およその震源地も特定することになった。生徒たちは、各都市の地点に震度や地震発生時刻を書き込み、色分けしたり、記号を変えたりしながら、同じ震度や発生時刻の地点を線で囲んでいった。

 地図の二つの都市を見ながら、ある女子生徒が「発生時刻は同じなのに、どうして、震度の大小があるのだろう……」と考え込んでいる。先生は「震源地を推測して、それぞれの距離を考えてごらん」と助言した。

 阪神大震災の震度分布を調べた班は、震度7の神戸市を中心に、香川県坂出市、岡山市、京都府舞鶴市など、周囲の震度4の都市を同じ色で塗り分けた。「震源地の震度が一番大きくて、周りに遠ざかるにつれ、小さくなっている。震源地は真ん中の神戸辺りでは」と、男子生徒が考えを発表した。

 インド西部地震の班は、同じ時間帯に同じ震度を観測した都市を結んで、五重の同心円を描き、震源地の予想を試みた。

 「いろいろ調べてみた結果、二つの地震の共通点は?」。先生が最後に聞くと、生徒の一人が「震源地の近くの方が震度が大きく、揺れも大きい。震源地から遠くなるほど、揺れも小さくなる」とまとめた。(山根由起子)

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内

[PR]注目情報

ジャンル別の最新情報はこちら
  • 大学
  • 中学・高校
  • 通信制高校