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「花まる学習会」代表・高濱正伸さん

思考力つけ土台作り

2010年7月26日

写真授業はいつも、先生と子どものテンポのよいかけあい=さいたま市南区、郭允撮影

 高濱先生の1時間半の授業は、内容が多彩で、やることが次々と変わっていく。

 まずは、四字熟語集。

 「鶏口牛後!」「鶏口牛後!!」

 「経世済民!」「経世済民!!」

 先生が100の熟語をリズムをつけて読み、全員が続く。まだ1年生だが、おかまいなしだ。

 「3年生まではリズムのある言葉をどんどん吸収する時期。音で覚え、大人が使うのを耳にすれば意味や漢字は4年生以降でいい」

 続いて「キューブ、キューブ!」と先生が叫んだ。みんなは慌てて、カバンから立体教具「CUBE×CUBE」を出す。立方体がいくつかくっついた七つのパーツをすばやく机に並べ、背筋を伸ばした。「話に耳を傾け、俊敏に行動することの徹底。それが高学年の学力につながる」と言う。

 なんと、先生が自分の額に一枚の絵をペタッ。汗でくっついた? いや、かけている眼鏡の上に乗せたのだ。みな笑ったが、これも絵に注目させる先生の仕掛け。次は、この絵と同じ立体を、各自のパーツを組みあわせて作る。

 次は計算練習。「スタート!」。先生は腕時計を見つめる。できた子が「ハイ」というと、秒数を告げた。タイムを記録し、回を重ねるごとに速くする訓練だ。「勉強は他人ではなく、自分との競争ですから」

 高濱先生は、東大大学院を修了し、予備校で大学受験生を教えていた。だが、どうしても伸びない子たちがいた。計算は速いが、考える問題になると思考停止する。みんな幼いころに嫌がるおけいこや勉強を親に無理やりやらされ、ダメ扱いされた経験があった。

 低学年までの教育が間違っていると思い、1993年、幼児と低学年25人の塾を始めた。いまは年中から中3まで、関東を中心に103教室を持つまでに成長した。めざすのは、「論理的思考力のある勉強好き」を育てることだ。

 続いて漢文の「格物致知」を朗読し、古典にも慣れさせる。

 次は、平面図形。みんなが「ひらけーごま!」と指さすと、先生が額にくっつけたカードを1秒だけ裏返して見せた。何やら図形が描かれている。子どもたちは瞬時に見極め、手持ちの4枚のカードを組みあわせて、その図形を作り始めた。「図形問題のポイントは補助線をどこに引くかということ。何枚かのカードで構成する訓練を繰り返すと、見えない補助線が浮かぶ力がつきます」

 「優勝は〜ここ!」。先生が七つの机のうちの一つをたたいた。その机の5人全員が「イェーイ!」とガッツポーズ。お決まりの「表彰」だ。声が大きい、姿勢がいい……わずかなことも褒める。

 最後に、一番力を入れる「なぞぺー」が始まった。思考力やひらめき力をつける問題だ。

 一筆書きした星形の10個の角に、1から4のいずれかの数が書かれている。三つの角の数を足してちょうど8になる三角を見つけて塗りつぶす、という問い。小さい三角には目がいくが、大きな三角をどう見立てるか難しい。

 数問解いたところで、「あっ、虹」とだれかがつぶやいた。「よーし、まず虹を見に行こう」。全員で廊下に出ると、青空に見事な虹がかかっていた。(宮坂麻子)

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