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モック子ども造形教室・白石公二さん

発見 感動 竹の太鼓

2010年8月23日

写真白石先生の竹の話題に子どもたちは興味津々=名古屋市昭和区、品田裕美撮影

 「竹の切り口に触ってごらん」と白石先生は、太鼓の材料に使う竹を指した。竹は2時間前に切り出されたばかり。

 「うわっ、ぬれてる」

 「ついさっきまで、地面から水を吸い上げていたからだよ」

 子どもたちは、竹筒に羊の皮をはる太鼓作りに挑戦したが、先生の教室は、単に物を作るだけでない。作りながら、手触りやにおいにも注目させる。作業の合間のさりげない雑談で、材料に目を向けさせ、環境や科学への興味を引き出していく。

 モック子ども造形教室は発足して約30年。くぎを使った風鈴や、駄菓子で作った絵画、杉の表札など五感を生かしたユニークな作品作りに取り組む。愛知県内の4教室で、現在、幼児〜小学6年生の計約100人が習っている。

    ◇

 この日の太鼓作りには、約20人が参加した。長い竹を節ごとにノコギリで切り、サンドペーパーで切り口をなめらかにし、羊の皮をはり、ひもでくくりつける。太鼓のバチも細い竹の棒だ。

 作業に入る前、先生は、竹筒に魚の皮をはった太鼓が中国にあることを紹介。「きょうは、入手しにくい魚の皮のかわりに」と、50センチ四方の白い皮を広げた。

 「羊くん?」。男の子がつぶやく。先生が「そう。1匹分です。ここが首、まえ脚、うしろ脚、しっぽのあったところ」と、皮の輪郭をなぞりながら説明した。

 「うぇー」「かわいそう」

 「バッグなどにも加工します。ビニールに比べ、薄いところや分厚いところ、破れやすいところがあります。使う部分を考えなければなりません」と先生。

 こんどは、何人かにぞうきんで竹をふかせた。自然の状態の竹を知ってもらうのが狙いだ。

 見る間に真っ黒に。女の子は首をかしげて「鳥のフンかなあ」。

 「空気中の汚れを吸着しているからです」と先生が言うと、「いっぱい竹を植えたら空気がきれいになるね」と男の子が言った。

    ◇

 ギコギコ、スパン! 先生が竹をノコギリで切って手本を見せると、黄色いおがくずがいっぱい出た。「においをかいでごらん。ちょっと甘いよ。イネ科だからね」

 みんなは竹を押さえたり切ったり、協力して作業をした。ノコギリを恐る恐る引いている子に、先生は「歯の先っぽまで使って。大きく動かさないと。斜めになっているよ」などとアドバイスした。

 「竹の太さで音が変わる?」。考えさせながら、竹の中を鉄パイプでつついて節を抜く。音がうまく抜けるようにするためだ。

 空洞になった竹筒を持って「のぞいてごらん」。中はツルツル。「きれい」「タケノコのにおいがする」。発見の連続だ。

 みんなは、四角く切った羊の皮をピンと張って完成させ、羊の皮や竹筒に、カラーペンで思い思いに絵を描いた。野球のボール、人の顔、音符、名古屋城……。「海が好き。家族でよく行ってるよ」という男の子は、海やアワビ、サケをあしらった。

 ボーッ。先生が竹の笛を吹いて低音を響かせると、合図もないのに、トントコ、トントン、子どもたちが太鼓で呼応する。楽しいリズムの即興演奏会が、自然に始まった。(山根由起子)

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