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東京・筑波大付属小学校・青山由紀さん(44)

比べて身につく読む力

2010年11月15日

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 5年生の国語。黒板に、朝日新聞の1面がずらりと並ぶ。

 10月13日付朝刊から15日付夕刊まで、チリ落盤事故の作業員生還に関する記事が載っている。

 「6回も1面が続くのは珍しいですね。生還前の13日朝刊にも『きょう救出開始』とあります」

 青山先生は、次に同じ日程の読売新聞の1面を並べてはった。

 「あっ、同じような見出し!」

 「写真も同じ場面だ! ガッツポーズだもん。朝日はアップだ」

 見出しや写真に注目することは、すでに学習済みだ。

 毎日新聞の14日夕刊1面をはったところで、教室中から「えー!」と声が上がった。生還した33人全員の顔写真が出ていたから。

 すぐにだれかが「読売は確か3面か、中の面に出てた!」。

    ◇

 「顔写真は1面に載せた方がいいと思う?」と先生が尋ねた。

 「たくさんの人が助け出されたということが、ひと目でわかるから1面がいい」「『33人』と書いてあればわかる。わざわざ顔写真を1面に載せて場所を取らなくていい」「朝刊で何人か載せたから夕刊も載せなきゃならなくなったと思う。でも同じ人が2回載るのはどうかな」「新聞を駅で買う時、1面は外側で目立つ。1面に載せた方がみんな買うからいい」「もっと日本には書くべきニュースがある。チリのことを毎日大きく載せる必要ない」……。

 議論が、止まらない。

 「じゃあ、14日の夕刊の1面記事を、みんななら何にするか考えてみたらどうかな。次の時間やるから考えてきて」と先生。

 来年度から本格導入される新学習指導要領では、5、6年生の国語の「読む力」に「編集の仕方や記事の書き方に注意して新聞を読む」という内容が盛り込まれている。教科書も、新聞の写真や見出しの比較、編集意図の探り方を掲載している。中学でも、新聞活用が入ってきている。

 長年、新聞活用をしてきた先生は「ネットの情報に頼る子が多い時代だからこそ必要」と話す。

    ◇

 続いて、「社説」の読み比べ。

 読売と毎日は14日朝刊に載っているが、朝日は全員生還後の15日朝刊に載っている。

 「おのずと内容も変わってくるよね。主張が書いてある文に、線を引きながら読みましょう」

 まず、朝日を1人1段落ずつ音読。読めない熟語を二、三、教えれば、すらすら読んでいく。

 次に線を引いた部分を発表。

 「11段落目の『国際協力ばかりでなく、事故防止の安全策にも……』」「13段落目の『地下資源の採取は、環境への影響を最小限に……』」「12段落目の『限られた資源を有効に……』」

 「安全対策と環境と資源を大切に? あれこれ言っているってことですねえ」と先生。

 読売の社説も読み、ノートの左に朝日の主張、右に読売の主張、真ん中に共通の主張を書かせた。

 「先生、読売は、金もうけ優先だから事故が起きたと書いてあるけど、そうなのかな」とある子。みんなも「気にかかる!」。

 「どっちの社説がどういいか考えるのが課題ね」(宮坂麻子)

    ◇

 この授業で使った記事を、先生向けメールマガジン「朝日Teacher'sメール(http://nie.asahi.com/から登録が必要)」で紹介しています。

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