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佐賀市立循誘小学校 米倉一成さん

読解は「お題」で対話

2010年12月13日

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 「昨日の8分14秒を超えるようにしましょう」

 6年3組で、1人1文ずつ読む「リレー早読み」が始まった。

 読むのは、国語の教科書の「言葉の意味を追って」。新村出(しんむら・いずる)、新村猛(たけし)親子が「広辞苑」を作り上げるまでの苦労をつづった文章だ。

 「早く読むだけではダメ。この疑問を解決せんといかんけん、考えながら読まんといかんよ」

 米倉先生は、黒板にはられた「お題」の紙を指さした。

 (1)なぜあきらめず最後まで作り続けることができたのだろうか。 (2)なぜ題名を「言葉の意味を追って」にしたのか。

 中学に入れば、もっと長文を読み解くことになる。すらすら読みつつ、内容を頭に入れる訓練を今からさせているのだ。

 読み終えたタイムは「7分41秒!」。教室に拍手と歓声がわく。

 先生は、壁にはってある「階段の絵」に近づき、7段目にある人間カードを10段目まで上げた。クラスの生活目標がクリアできたかどうかで、人間カードが昇降。自分たちの生活を見える形で、評価させる一つの方法だ。

    ◇

 米倉先生は、読解に「対話題」という手法を採り入れている。

 一読した後、みんなで疑問点を「お題」として出しあい、数個の「お題」にまとめる。それを毎時間、一つか二つずつ議論して解決しながら、読み進める。どのお題から取り組むかによって授業の流れが変わる。そこが先生の腕だ。

 この日のお題は二つ。まず、(1)の「お題」から、プリントに各自答えを書く。時間は5分。

 続いて発言者が次の発言者を指名する方式で、議論が始まった。

 「夢だったからがんばれた」「改訂版が出なかったから、中途半端で終わりたくなかった」「出(いずる)は思いが強かった。猛(たけし)は父を助けたかった」……。

 出た意見は、先生が、すべて名前入りで黒板に記す。誰の意見かわかるためだ。続いて、友達の意見で自分の意見がどう変わったか、また書かせる。時間は6分。

 米倉学級の黒板には、ストップウオッチがはられている。どんな作業にもタイムリミットがあるのだ。「ある程度めどを立て、行動させる訓練をしたい」

 決してビシバシ熱血先生ではない。「こうしなさい」ではなく、工夫している子をほめてほめて、クラス全体にその方法を広める。

 「先生は○○ちゃんがすごいと思うよ。いつも『○○さんの意見で自分はこう変わりました』と書くけん、プリントがいっぱいになるんだよ」。書き直す時、ペンの色を変えている子を紹介し、「そういう工夫もいいよね」。

 最後に「お題」を出した子が、「ベストアンサー」を選んだ。「正解」は子どもが決めるのだ。

    ◇

 (2)の「お題」の議論が終わると、先生が言った。「みんななら、どんな題名をつけますか」

 「広辞苑までの道のり」「一つの言葉を追い続ける」「言葉の仕事は無限大」「親子の言葉の旅」……。「ほお、かっこいいなあ」と感心する先生。

 一方で、それぞれの子の発言回数を、黒板の隅の名簿に「正」の字で書いていく。これも、目に見える形で自分の発言を増やしていく訓練だった。(宮坂麻子)

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