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札幌市円山小学校 中村光晴さん

対話でつかむ概数

2010年12月27日

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写真:「およその数って、本物の数?」と問いかける中村先生=札幌市中央区、杉本康弘撮影拡大「およその数って、本物の数?」と問いかける中村先生=札幌市中央区、杉本康弘撮影

 「これ、何本あるでしょう」

 中村先生は、4年2組のスクリーンに、有名な北海道北竜町のヒマワリ畑の写真を映し出した。

 「えー、数えられない」と、みんなからはブーイング。「前の方は見えても後ろの方は見えない」「写真がぶれてる」と次々に理由を言い出す。

 「1300000本です!」と、先生はきっぱり言った。

 「あり得ない!!」「本物の数じゃない」

 先生は、黒板に「本物の数」と書き、今度は「世界の人口6800000000人」と書いた紙をはった。

 「えー、違うよ!」「1分間に1人死んだり生まれたり」。先生の言葉や動きに、すぐに意見が出る。先生も呼応して、すぐ次の質問を出す。

    ◇

 中村先生がめざすのは、コミュニケーション力を高める算数だ。自分の中の矛盾と向き合ったり、友達の考えとのずれを意識したりして、「心を揺らす」時間を意識的に仕組んでいる。

 「世界の人口の方は、たぶん各国の約何人というデータを合わせた数だと思うけれど、その中にはホームレスとか入っていないから正確な数じゃない」とある子。ほかの子からも「ヒマワリも植えた数で言っているんじゃないか」「この面積に何本と数えて、それをかけて計算したんだ」……。

 この日は、概数の単元の最初の授業。だが、6、7割の子はすでに塾で学習済みだ。

 「わかった気でいても解答としてわかっているだけで、概念をとらえられている子は少ない。だからきちんと議論したい」と先生は話す。

 全員が「本物の数じゃない」と主張しても、「町のホームページにもこう書いてあった気がするけど」と、とぼける先生に、誰かが怒って言った。

 「だ、か、ら、わかりやすくしてるんだって!」

 そこで先生は、ニヤリ。「わかりやすくってどういうこと?」

 「例えば、人口が697534298人とかだったら、わかりにくいでしょ」と子どもが説明し、「そうか」と先生が納得。

 「わかりやすくした数をなんというか知ってる?」

 「概数!」と即答。

 続いて、「Jリーグの観客数7000人」と書いた紙をはり、「概数だと思う人?」と尋ねた。全員挙手。

 「でも、8000人と書いてあるものもあったんだ」と先生。「約だからだよ」とある子が言った。

    ◇

 そこで先生は「今からいう数が、約7000人と思う人はグー、約8000人と思う人はチョキを挙げて」。

 すると、「あっ、これは、知識さえあればできる問題だ」とうれしそうな声が上がった。

 7890人、7208人、7405人……。数に反応して、みんなの手がグーやチョキに。「その理由は?」

 「四捨五入だから」

 「四捨五入って何? 説明して。三捨七入でもいいでしょ?」

 数直線を描いても、なかなかきちんと説明できる子がいない。

 「何言っているかわからなくて、困っている人?」と先生。友達にわかるように説明できるまで、まだまだ議論は続いた。(宮坂麻子)

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