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さいたま市立東宮下小学校・菊池健一さん

自分探る10歳の成人式

2011年1月10日

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 「冬休みの最後の日。1月10日は何の日か知っていますか」

 20歳を祝う成人式。その半分に当たる10歳の時に「2分の1成人式」をする動きが、近年、小学校で広がっている。保護者を招いて式典をする学校もあれば、先生が自分のクラスで、将来を見つめさせ、発表させるところもある。

 菊池先生も「2分の1成人式」を採り入れている一人だ。

 3年1組の28人に言った。

 「みんなは10歳になります。みんなの住む、ここ、さいたま市も10周年です。先生が初めて出した卒業生も20歳になります。なんかいい年になりそうですね」

 この日の「道徳」は、どんな大人になるかを考えるのがテーマ。

    ◇

 「Qちゃん」の愛称で知られるマラソンランナー高橋尚子さんの記事が何種類か、黒板にはられた。「みんなが集めた記事には、Qちゃんはどんな人だとあった?」

 次々と、手が挙がる。

 「転んでもあきらめない人」「くつがぬげてもあきらめないで走った」「くつを集めてケニアに送っている」「スポーツをしている人のために、北海道の畑で栄養ある野菜を作っている」――。

 高橋さんの話は、道徳の教科書に掲載されている。だが、先生はあえて、新聞記事を読ませた。

 「いろんな情報があって具体的にイメージできますから」

 高橋さんは「あきらめない」がキーワードだった。では、自分はどんな大人になりたいか。それぞれが、まず班で発表した。

 「ぼくは、Qちゃんが引退した後も中学生と走っていることに感動しました」と、ある男の子。

 夢は、医者か獣医師。そのために、Qちゃんのようにあきらめず、国語や算数の勉強をし、動物や人体のことを知りたいという。「動物や人を助け、まだよくわかっていない病気やインフルエンザを治す方法を調べたいです」

 言い終えると、班のほかの子から拍手がわき、それぞれが付箋(ふせん)に何やら書き出した。

 「応援しているよ」「よかったよ」「もうちょっとゆっくり読むとよかったかな」

 メッセージを書いて渡すのだ。

 「自分のことを自分で伸ばせる子に育てたい。そのために、自己肯定感も育てたいし、友達を応援する気持ちも形にしてほしい」

 Qちゃんのように「何でもできる大人になりたい」という子も、「人の役に立てる人になりたい」という子もいた。

    ◇

 今度は、全員の前で発表。

 動物園の飼育員になりたいという男の子が前に出た。「書き初めがまだうまく書けないけれど、高橋さんが金メダルをとった時のように、あきらめない」

 それを聞いた先生は、その子が夏休みも水族館に行って、飼育員を見て、勉強をしていることを紹介。みんなから拍手がわいた。

 「5、6年生になると、漠然としていた思いが、具体的に育ってきます。だからこそ、その時期の前に自分を振り返ることが大切です」と先生は話す。

 ある女の子はこういった。

 「私は発表が得意なので、いっぱい発表して、みんなにやる気を出させたい。10歳は大変だと思いますが、がんばります!」

 笑顔が広がった。(宮坂麻子)

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