現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 教育
  4. 小中学校
  5. 花まる先生公開授業
  6. 記事

千葉・八街市立実住小学校 吉川由美子さん

2×8ならタコ2本足

2011年1月17日

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:タコやテントウムシの足の本数でかけ算の意味を教える吉川先生=千葉県八街市、伊藤進之介撮影拡大タコやテントウムシの足の本数でかけ算の意味を教える吉川先生=千葉県八街市、伊藤進之介撮影

 耳が3本生えたウサギや、足が2本伸びた宇宙人のようなタコ……。吉川先生の算数には、なんともへんてこな動物が登場する。手作りのパネルシアターだ。引き算や足し算、かけ算などに応じていろんなキャラクターが移動する。

 「場面が変化することで、視覚から算数を学んでほしい」

 3年4組はこの日、2年生で習ったかけ算の意味を再確認することになった。以前、「あめを3個買います。1個5円のあめを買うと全部でいくら(何円)?」という問題に、「3×5」と答えた子がクラスの半分以上いたからだ。これだと、「3円のあめを5個買った」ことになってしまう。

 「何のいくつ分」という考え方を分かってもらうのが、先生のねらいなのだ。

    ◇

 みんながパネルシアターを見るのは初めて。カエルやテントウムシ、信号機、ミカンなどの中から、先生がまず選んだのはピンク色のウサギ。ぺたぺたとパネルにくっつけていくと、「かわいい!」「なんではりつくの?」。

 ウサギを3羽貼った先生が問いかけた。「ウサギが3羽います。ウサギの耳は二つずつあります。耳は全部でいくつでしょう。式はどうなりますか?」

 解答用紙に真剣に向かうみんなの間を回り、「3×2」と書いた子どもたちを見つけた。教壇に戻った先生は「3×2にすると、いったいどうなるでしょう」。最初のウサギ3羽をはがし、別のウサギ2羽を貼った。

 新しいウサギにみんなはびっくり。頭から耳が3本生えている。しかも、しかめっつら。「ありえない」「こわいよー」。悲鳴で教室は大騒ぎになった。

 「3×2だと、耳が3本生えたウサギが2羽、ということになるよ」と先生。

 次は、タコを使って、同様のかけ算に挑戦だ。

 「タコが2匹います。それぞれ足は8本。全部で足は何本?」。「2×8」と書いた子どもたちを見つけた先生は、しめしめという顔で、足が2本のタコを8匹、パネルに貼っていった。「宇宙人みたい」「タコじゃない」。あちこちでつぶやきの声が上がった。

 「2×8でも8×2でも答えは同じ。でも、意味は全然違うよ。文章をよく読んで考えてとくことが大切だね」と先生は話した。

    ◇

 最後に、代表してだれかが問題を作ることに。手を挙げた男の子が選んだのは、真っ赤なテントウムシ。パネルに7匹貼った。「テントウムシが7匹います。テントウムシには足が6本あります。全部で足は何本あるでしょう」

 今度はみんなが「6×7」と答えられた。

 「ちなみに7×6だとどうなるかな」と先生が言うと、出題した男の子は棒状の黒いフェルトをテントウムシの足の部分に一本ずつ追加していった。先生は「足が7本になっちゃった。テントウムシは昆虫の世界から出て行かなければいけなくなっちゃうよね」。

 「かけ算の意味って、すごく大切。数字の順番でなく、何のいくつ分か考えてとくのを忘れないでね」。みんなは先生と約束。「前と比べて、かけ算の意味が分かるようになった人?」。そろって手が挙がった。(有山佑美子)

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

[PR]注目情報

学校からのお知らせはこちらから

ジャンル別の最新情報はこちら
  • 大学
  • 中学・高校
  • 通信制高校