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北海道・札幌市立山の手南小学校・佐野浩志さん

除雪考え市民の自覚

2011年1月31日

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写真:「雪対策、自分たちで何が出来る?」と佐野先生=札幌市西区、杉本康弘撮影拡大「雪対策、自分たちで何が出来る?」と佐野先生=札幌市西区、杉本康弘撮影

 山の手南小学校を訪れた昨年の暮れ、歩道や家々の屋根など、周囲には雪が白く積もっていた。佐野先生は、6年3組の社会科の授業で、札幌市の除雪について取り上げた。

 子どもたちにとっても身近な問題。この日までに、市の除雪対策について学んでいた。累計の降雪量は年間平均6メートル。一度に除雪する車道は、総延長距離5300キロ。約70カ所ある雪堆積(たいせき)場の容量は、札幌ドーム12杯以上の約2千万立方メートル。市の今年度の雪対策にかかる当初予算は約147億円……。「世界でもトップ規模」の数字に、みんなは驚いた。

    ◇

 「市政への要望の1位も除雪に関することです。どう思う?」と先生。3位だった昨年度を除き、1978年度から今年度調査までトップが除雪だ。要望の主な内容は、生活道路や歩道の除雪、道路の凍結対策などだ。

 そこで、各自がノートに考えをまとめた後、市の除雪対策がよりよくなるためにどうしたらいいかを話し合うことになった。

 「雪対策で何か困っていることはある?」。先生は除雪への要望をみんなから引き出した。

 「雪が歩道に積もっていると車道を歩かなくてはならなくなり、危険。除雪は早く一気にやってほしい」「夜、除雪車のガガガガという音が聞こえてうるさかった。静かにやってほしい」

 途中で、ある男の子が「文句言っているだけじゃ始まらない。自分たちでやれることをやった方がいい」。先生は「何ができる?」と促し、具体案を考えた。

 「自分の家の前の歩道や細い道の除雪はした方がいい」「お年寄りの前の道はやってあげるとか市民の協力は必要だよ」。子どもたちの意見に、先生は「先生も家の前の細い道を除雪しましたが、30メートルほど1人でやったら重くて大変だった。50メートルも100メートルもできるかな?」と疑問を投げかけた。

 問題を「市民の協力が必要」と簡単に片づけるのではなく、自分たちも市民の一人だと自覚させ、当事者として考えさせたかったからだ。「5メートルぐらいならできるかも……」「マンションの管理人さんやお母さんがやってくれるよ」と、ややトーンダウンした。

    ◇

 次に先生が大型画面で見せたのは、除雪した雪を堆積場に運ぶのではなく、住民の協力で住宅の庭に置く活動をしている地区の写真だ。庭は埋まってしまうが、道路が広く使え、交差点付近の除雪作業も迅速に出来る利点がある。

 同時に、堆積場やグラウンドの雪に混じっていたペットボトルやポリ袋のゴミの写真も見せた。

 「自分の家なら受け入れる?」と先生が尋ねると、「庭の端だけならいいけど、奥まで雪が置かれるのはちょっと」「ゴミが入っている雪はイヤ」など戸惑う声も。

 いろいろ議論した後、「市に任せきりではなく、自分たちに出来ることをしたらいい」といった意見が多く出た。

 最後に、まとめを書いた。

 「市民が協力することで、除雪にかかるお金を少し減らせると思う」「ぼくたちも市民だから協力しなきゃいけないと思うとう〜んと難しくなった」――。ノートには、率直な思いや悩みがつづられた。(山根由起子)

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