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大阪・八尾市立久宝寺小学校 山野元気さん

学級新聞 発行どっち?

2011年9月27日

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写真:おはじきの学級通貨がある「4年3国」。実習で作るベッコウアメの引換券も「10元気」で販売=大阪府八尾市、伊藤菜々子撮影拡大おはじきの学級通貨がある「4年3国」。実習で作るベッコウアメの引換券も「10元気」で販売=大阪府八尾市、伊藤菜々子撮影

 山野先生の受け持つ4年3組は一つの国、「4年3国」として運営されている。

 人口31人。給食や図書などの仕事をする30もの会社がある。先生の名前にちなんだ学級通貨「元気」が流通しており、会社で仕事をすると報酬が支払われる。みんなはその収入から税金も納める。

 「経済や社会の仕組みを疑似体験し、世の中を生き抜く知恵をつけてほしい」というのが先生の考えだ。

 毎日、級友2人の作文を紹介する学級新聞は、7人でつくる会社「シーワン」が手がけ、30社中トップの売り上げを誇っている。そこに別の4人が新会社を結成し、「自分たちも発行したい」と提案した。シーワンの頑張りはみんなの認めるところだが、新会社の4人も本気だ。そこで、どちらに新聞発行をゆだねるかを話し合う「模擬裁判」が開かれることになった。

    ◇

 シーワンの7人と新会社の4人が向き合い、欠席者を除く残り19人が周りを囲んだ。先生は、扇子でトントンと教卓をたたいて告げた。

 「2社のプレゼン(提案)を聞き、読みたい新聞を決めてください。人気のある方が今後1カ月間発行できます」

 「えーっ」とどよめきが上がる。えこひいきはなし。みんながよいと思った方が選ばれることになる。

 シーワンは新しい試作紙面を示した。余白に人気アニメ「ワンピース」のキャラを描いて目を引く工夫をした。

 これに対して新会社は、作文に「字がとてもきれい」などのコメントを付けることを考えた。見本を見せながら、「作文に合ったコメントを大切に考えています。ほかの人の感想を聞いたり、ほめられたりしたらうれしいと思うからです」とPR。「ワンピースの絵は作文とは関係がありません」と対抗した。

 シーワンも負けていない。「ワンピースのイラストは、クラスのアンケートの好きなアニメで一番人気があった」「これからは人気が高い絵やランキングなども載せたい」とアピールした。

 周りで聴いていた子たちから活発に意見が出た。

 「新会社の新聞は、作文とコメントがつながっているようで読みにくい」

 「ワンピースに興味のない人もいるのでは」

 するとシーワンの男の子が「折衷したらええやん。絵とコメントと両方や」と発言。新会社からはすかさず「そりゃパクリやん」と抗議の声があがった。ここで先生が「シーワンはイラスト、新会社はコメントの使用権がある」と整理して議論をおさめた。

    ◇

 いよいよ採決。19人の傍聴者が読みたい方に挙手する。結果は10対9。1票差で古参のシーワンが今後1カ月間の発行権を得た。新会社は、今回は残念ながら譲ることに。でも、より魅力的な新聞を考えて1カ月後に改めてプレゼンすることになった。

 「裁判が終わったらグチグチ言わない」「裁判のおかげで互いが成長できる」

 最後にみんなで合言葉を唱え、笑顔で「閉廷」した。(山根由起子)

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