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天才の育て方

卓球選手福原愛のお母さん 千代さん:4 まだ8合目、ピークはロンドン五輪

2007年10月23日

 2005年から2年連続で中国のプロ卓球リーグ「超級リーグ」に参戦。当時の小泉純一郎首相の靖国問題で反日感情が高まっていたが、千代は心配しなかった。中国での試合は、応援されこそすれ、危険を感じたことはなかったからだ。

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早稲田大学のユニホームで練習。関東学生リーグ戦にも出場した

 中国人選手と対戦しても福原愛の中国語読み「フーユアンアイ」の大合唱。愛の写真を印刷したTシャツを着て応援するファンも現れた。中国人コーチから習った中国語も、好感を持たれた。

 参戦1年目の年末、夫の武彦が大腸がんの手術を受けた。アテネ五輪のころから体調が悪かったのに、病院にも行かず、愛の試合を見続けた。手遅れにならなくて本当に良かったと千代は思う。

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 今年4月、愛は早稲田大学に入学した。実は千代は進学に反対だった。大学進学は選手を引退後で良い。今は卓球に専念すべきだ、と説得したが、愛は「他の人と同じ年代で大学生活を体験したい」と譲らなかった。

 愛は現在、来年の北京五輪出場権獲得のため、ワールドツアーを回っている。千代も以前は同行したが、今はコーチに任せている。

 「愛も大人になりつつあります。寂しい? いえ、うれしいですよ。自立は成長の証しですから。愛が必要とする範囲でサポートしようと思っています」

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 北京五輪では団体のメダルが目標だ。国別ランキングは現在、中国、香港、シンガポール、日本、韓国の順。不可能ではない。

 「個人では? 無理でしょう。選手としてまだ8合目。23〜24歳で迎えるロンドン五輪が、愛のピークだと思います」

 今までの累積練習時間は約2万時間。世界と戦えるようになった。ピーク時、3万時間に達するころメダルを狙える力がつく。千代はそんな計算をしている。

 アスリート引退後の長い人生について、二つ希望がある。卓球界への恩返しに、指導者として最低1人の選手を育てること。結婚して子どもを産むこと。

 「愛が子どもを選手にしたいと言ったら最高ですね。おばあちゃんとして力の限り手伝います」(敬称略)

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 次回から三味線奏者の吉田兄弟です。

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