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柔道・上野三姉妹のお母さん 和香子さん:4

柔道をするために生まれてきた子

2009年10月27日

 五輪金メダルは、夢物語ではない。それを雅恵(30)に教えたのは、96年アトランタの女子柔道61キロ級で金メダルを取った恵本裕子(36)である。

 雅恵が旭川南高校に入学したのは94年。ただ、小学校6年のときに柔道部の練習に顔を出している。そこには、恵本が高校3年生でいた。

 和香子(54)は話す。

 「恵本さんが金メダルを手にされたとき、つくづく雅恵はオリンピックに縁があると思いました。改めて、柔道をするために生まれてきた子だなぁと」

    *

 恵本は旭川南高校から柔道を始めた。現在の三井住友海上女子柔道部に入ってから頭角を現し、やっとのことで代表に選ばれてアトランタでは、元五輪王者、世界選手権王者らを次々と破り、大会前の予想を覆して金メダルを獲得した。

 恵本が金メダルに輝いた96年夏、今度は雅恵が高校3年生だ。決勝のときは恵本の出身校からテレビ中継があった。当時、雅恵は恵本の後輩ということで、インタビューにこんなことを言っている。

 「私もしっかり練習し、オリンピックに行きたいです。同じ金メダルを取れるように、がんばります」

 その言葉はそのまま、雅恵のメダル取り宣言となるのである。

 父親の法美(56)は「高校から始めた恵本さんが金メダルだから、雅恵にも十分にチャンスはあると思いました。その意味で、同じ高校出身の身近な人間がメダリストになるということは、最高の励みになるんです」と言う。

 五輪出場どころか、金メダルも現実味を帯びてきた。

    *

 実は、雅恵は高校入学の直前、柔道から心が離れたことがある。中学で男子相手に柔道の練習をすることがいやでたまらなかったからだ。それが高校で同年代女子と練習することで、急に練習が楽しくてしょうがなくなる。雅恵自身、「高校での練習がなかったら、いまの私はない」と、ことあるごとに語っている。

 恵本を目指して、雅恵が走る。そのあとには、雅恵を追いかける次女順恵(26)、三女巴恵(19)がいる。

 練習へのモチベーションは、途切れることがない。(敬称略、石川雅彦)

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