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大相撲・千代大海のママ 須藤美恵さん:2

遊びと食べることしか興味なかった

2010年2月16日

写真いつも遊んでいた近所の海岸で、親戚のお兄さんと

 龍二(33)は中学校に入ると、だんだんと学校をさぼるようになりました。1年生のころはさすがに、カバンを持って朝は家を出ますが、2年生になると手ぶらで、胸ポケットに鉛筆を1本だけ挿して。いまの親御さんなら卒倒しますよ。

 そのうち、昼ごろに登校するようになります。もぞもぞと起き出して来て、「そろそろ給食の時間やなぁ」とか言って出て行く。だいたい、遊ぶことと、食べることにしか興味がなかったですね。

 あのころは、一升釜でごはんを炊いていました。学校から帰ると、自分でインスタントラーメンを二つ作るんです。当時、子どもに人気があったとんこつ味の「うまかっちゃん」とかいうやつで、冷たいごはんといっしょにかき込む。ごはんがないときは、ラーメンを三つ。それから海岸でドッジボールとかして帰ってきて、それから夕食です。

 笑い話のようですが、親類の子が、「龍二を回転ずしに連れて行ってやるから、うまかっちゃんを二つ食べさしておいて」と言う。ラーメンを食べさせておかないと店で底知れず食べるからです。

 そんな龍二がよく学校生活を送れたと思われるでしょうね。やっぱり、龍二を支えてくれる先生がいたんです。内藤公洋先生といって社会科の先生です。

 暴れん坊の龍二ですから、だれも担任を引き受けてくれません。そんなとき内藤先生が受けてくれ、「自分も若いときに親に心配をかけたから、龍二の気持ちもわかる」と言って、いつもかばってくれました。龍二の机を教室のいちばん前に置いて、なんとか学校にだけは来るように諭してくれた。龍二はといえば、いつも真ん前で寝ていたらしいですけど。

 私、思うんですけど、だれか体を張って、その子を引き受ける大人が必要なんです。ひとりでいいんですよ。

 それでもね、暴れん坊は悪いことばかりします。中学も2年、3年になると、たばこは吸うわ、けんかはするわ、暴走族には入るわ。体が大きくて親分肌だから、どこでも番長です。警察の世話にもなるようになっていきます。これでは、どう考えても犯罪者になってしまう。

 そこで私は、一世一代の「芝居」を打ったのです。(聞き手・石川雅彦)

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