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女流棋士・里見香奈のお母さん 治美さん:2

賞品・罰ゲーム付きの「里見家名人戦」

2010年3月16日

写真5歳のころの香奈(右)。兄の卓哉(左)、妹の咲紀(中)と

 「里見家名人戦」の参加者は父親の彰(48)、兄の卓哉(21)、香奈(18)です。妹の咲紀(13)とルールを知っている程度の私(48)は、メンバーが多い方が盛り上がるということで、ときどき無理やり参加させられました。

 賞品があったんですよ。食べ物が多かったですね。デザートを5個ほど用意するんです。たとえば、デコレーションのいっぱいついたプリンから、ヨーグルト、アイスクリームなんかを。それを、勝った者から順番に取っていきます。

 あと、私と幼い咲紀を除く3人で、皿洗いという罰ゲームもありました。負けた人が夕食の後かたづけで皿を洗うんです。私は大助かりです。最初は卓哉や香奈が洗っていましたが、香奈が小学4、5年生になると、父親が洗うようになりました。そのうち、主人は負けることが多くなり、馬鹿らしくなって、皿洗いの罰ゲームはなくなりました。

 香奈は小学3年の時、羽生善治さんや谷川浩司さんに会っているんです。島根県出雲市で「将棋の日」というイベントが開かれ、多くの棋士が来られました。この子は本当に将棋が好きなんだなぁと実感させられた出来事がありました。

 前夜祭では、いつもは会えないようなプロの棋士の方に直接話しかけることができたんです。すると、香奈はひとりで会場をちょこちょこと回り、先生方の全員に「どうしたら、将棋が強くなれますか」と聞きました。兄は、恥ずかしがって隠れていましたけど。

 そのなかのひとり、女流棋士の高橋和(やまと)さんが、こんなことを香奈に言ってくださったようです。

 「毎日、少しずつでもいいから、詰将棋を解くようにするといいですよ。でも、毎日ですよ」

 そして、香奈は高橋さんと指切りげんまんをしたんです。

 それからですね、香奈が毎日毎日、詰将棋を解くようになったのは。1日10題、終わるまでは寝ないと決めていました。小学校の修学旅行でも、解いていたそうです。さすがに人前でやるのは恥ずかしかったようで、小さな詰将棋の本を持って行って、隠れてやったそうですが。(聞き手・石川雅彦)

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