学生寮の一室で神楽の練習をするメンバー=盛岡市
扇子と手製の錫杖(しゃくじょう)を手にした学生たちが、2列に並んで片ひざをついた。太鼓の拍子を口ずさむと、小刻みに首を振り、跳びはねる。岩手県奥州市に伝わる大森御神楽の練習だ。「天の岩戸が開いて明るくなった世界に喜ぶニワトリ」の動きを模しているという。
神楽に鹿踊り、鬼剣舞――。岩手は民俗芸能の宝庫だ。集落ごとに、微妙に異なる踊りが伝えられている。7月末に「早池峰神楽」が、ユネスコの無形文化遺産の候補に決まった。人文社会学部3年の秋山梓さん(21)は「そんな環境があるのに、踊らなければもったいない」。おもに県内四つの民俗芸能に絞ってけいこに励む。保存会に教えを請い、後輩に芸を伝えていく。
「ちょっと汗を流したい」「踊るとスカッとする」。入部の時はそんな軽いノリでも、引退後は地域の保存会に入って伝承を担う学生は少なくない。
踊りを四つに絞っているのは正確に伝えたいからだ。同学部3年の佐藤亜沙美さん(20)は「伝統の舞いは、自分たちで勝手に変えられるものではないので責任を感じる」。(上田輔)
〈メモ〉 98年に結成され、メンバーは1〜3年生の約40人。ばっけは岩手の方言で「ふきのとう」。「仲間」の花言葉をもつ。11月3日に、年1度の単独公演を盛岡市の盛岡劇場で開催する予定。
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