現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 教育
  4. 大学
  5. 紙上特別講義
  6. 記事

快眠のススメ:2(宮崎教授)

2008年10月25日

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 このエントリをYahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真照度計で明るさを測る宮崎総一郎教授=山崎虎之助撮影

 眠気を誘う「メラトニン」。

 太陽を十分に浴びないと、分泌されにくいです。

    *

 早起きするには前日から早起きを。

 アルコールは睡眠が浅くなります。

 ○おさらい

 生活様式の変化に伴い、日本人の睡眠時間は年々短くなっている。10代の睡眠時間を約10カ国で比較すると、日本が7時間で一番短いという研究もある。人間が本来眠ているはずの時間帯に仕事をすると重大事故を招きかねず、睡眠不足は糖尿病や肥満などの原因にもなる。では、快い睡眠を得るひけつは?

 最近の調査では3人に1人が睡眠にかかわる問題を抱えていると言われています。そこで、滋賀医科大は04年、日本で初めて睡眠学講座を開設。「睡眠外来」に力を入れています。

 外来で増えているのが「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」=キーワード=の患者です。私たちの研究ではSASの原因の35%を肥満が占めることが分かっています。特に、内臓脂肪型肥満であるメタボリック症候群との関連が注目されています。

 肥満によって首回りの脂肪が気道を狭くして呼吸を妨げ、SASを悪化させます。睡眠が浅くなれば、交感神経が緊張して高血圧となり、また代謝ホルモンの分泌に異常をきたすため、メタボの症状が進むという悪循環を引き起こします。

 家族にひどいいびきを指摘される。昼間、激しい眠気やイライラなどの症状がある。そんな人は診察を受けることをお勧めします。一晩通していびき音や脳波、あごの筋電図などを調べる睡眠ポリグラフ検査ができる外来も少しずつ増えています。

    *

 そこまで深刻でない場合の快眠のコツを紹介します。

 睡眠の質やリズムにもっとも関係が深いのが、「メラトニン」と呼ばれるホルモンです。朝起きて光を浴びてから14〜16時間後に分泌され、体温を下げ、しだいに眠気を誘う作用があります。日中に太陽光を十分に浴びないと、夜にメラトニンは分泌されにくく、眠りづらくなります。

 朝、太陽光が入りやすい東の方角を寝室にすることや、遮光カーテンを薄手のカーテンに変えることは目覚めに効果的です。日中も30分ほどでいいので外へ出た方がいい。曇り空でも、夜になってメラトニンが増えてきます。

 現代人は夜でも、テレビやコンビニエンスストアの照明など、明るい光に囲まれて暮らしています。夜、強い光を浴びると、メラトニンの分泌が妨げられます。生活習慣を見直すのも大切です。

    *

 この際、大きな誤解を解いておきましょう。

 「翌朝、ゴルフのスタートが早いから早めに寝よう」。こんな方はいませんか?

 しかし、いきなり早寝をしようと思っても成功しません。メラトニンが分泌される時間は決まっており、その日の朝に起きた時刻で眠りに入る時間が決まるからです。いつも午前7時に起きている人は午後10時ごろ眠たくなるのが普通です。早起きの必要がある日は、前日に早起きすれば早く眠れます。

 また、寝つけないからといって、お酒を飲む人も多いのではないでしょうか。でも得策ではありません。アルコールは確かに寝つきをよくしますが、早朝に覚醒(かくせい)作用が働いて睡眠が浅くなってしまいます。頻繁にトイレに行きたくなることもあって睡眠の質は低下します。

 十分な睡眠は成績の向上、病気の予防、事故の予防、そして良い人間関係づくりに役立ちます。みなさん「快眠生活」を送ってください。

 (滋賀医科大教授 宮崎総一郎)

 ◇キーワード

 <睡眠時無呼吸症候群(SAS)> 10秒以上続く無呼吸や酸素の欠乏を伴う低呼吸が、睡眠1時間あたり5回以上起こる症状。宮崎教授は「脳血管障害のリスクが4倍、心臓疾患は3倍、高血圧は2倍高まる」と指摘。03年2月に山陽新幹線を居眠り運転した運転士がSASと診断されて注目を集めた。

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内

[PR]注目情報

ここから広告です

広告終わり

ジャンル別の最新情報はこちら
  • 大学
  • 中学・高校
  • 専門学校