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快眠のススメ:3(宮崎教授)

2008年11月1日

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 自然に合わせて生活すると、体が一番喜びます。

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 睡眠は健康の基礎であり元気の源であることが、宮崎教授の講義やみなさんの「答案」から改めてよく分かりました。高速道路の料金所で働く男性は、三交代制の不規則な生活のなか、静かな場所を見つけて仮眠するよう心がけているそうです。「よく笑うとぐっすり眠れる」と教えてくれた女性もいました。答案の中から二つを宮崎教授の講評とともに紹介します。

 【宿題】快適に眠るためにどんな工夫をしていますか。500字程度で。私たちを眠らせてくれない、現代社会への提言でも結構です。

●ストレッチで全身の筋肉伸ばす

 大山史朗(ふみあき)さん(22)=大学4年生、広島市南区

 就寝前のストレッチを日課にしている。入浴後に床や布団の上で、10〜15分かけて全身の筋肉をゆっくりと伸ばしていく。

 高校生の時、深夜まで勉強した後で布団に入っても、疲れているのに神経が高ぶってなかなか寝つけなかった。そこで、少年野球時代にけがを防ぐ目的で習ったストレッチを試してみた。呼吸を整えて、少し痛いかなと感じるくらいの強さで続けていくと、身体の力がほどよく抜けていき、心地よい眠りに入ることができた。

 最近は大学の研究で1日5、6時間はパソコンと向きあうため、首や腕などに疲れがたまる。しかし、このストレッチを続けているお陰でぐっすり。睡眠時間は4、5時間と短めだが、深く眠れているからだろうか、早朝からすっきりとした気持ちで活動ができている。お金も時間もかからず、毎日のちょっとした習慣で快眠が得られる優れた方法だと感心している。

 試験や進学のプレッシャー、職場での責任や人間関係などで神経をすり減らすことが多い現代人にお勧めしたい。

●81歳の母、日の光浴びて農作業

 久保典子さん(56)=パート、広島県廿日市市

 現代社会にはビジネス街や深夜営業のスーパー、飲食店など夜中でも明るい空間が多く、私たちをなかなか眠らせてくれない。

 昔から「早起きは三文の徳」と言われているように、目覚めが良いと体調も良く、気分も心なしか落ち着いているように感じる。日中、体をしっかり動かすと、夕食を終えた午後9時〜10時には自然に眠くなってくる。そんな手本のような生活を送っているのが、81歳の母だ。

 天気のいい日にはミカン畑に行き、草を取ったり肥料をやったりして、夕方帰ってくる。ほどよく疲れるからなのだろう。夕食をおいしそうに食べ、早々に布団に入ってぐっすり。太陽を十分に浴びることで体の代謝も良くなり、元気でいられているのだろうと思っている。私も見習って、日中は努めて体を動かすことにしている。

 都会ではこうした生活は難しいかもしれないが、家事で体を動かしたり、近場には歩いて出かけたり、面倒くさがらずに工夫すれば、夜に自然と眠くなるような生活づくりができるのではないだろうか。

◇講評

 《大山さん》 就寝前のストレッチはとても的を射た快眠の方法です。副交感神経の活動が優位となり、穏やかな気持ちになれます。ゆっくりと20ほど数えながら息を吐き出し、痛みを伴わない程度に行うと効果的です。朝は、軽い体操が有効です。筋肉を動かすと体温が上がり、交感神経が刺激されてすっきり目覚めます。ストレッチの方法は、http://www.sasjp.net/の「睡眠の基礎知識」も参考にしてみてください。

 《久保さん》 お母様の生活態度には感心しました。快眠のひけつを上手に実践されていますね。日中に適度の労働をして太陽光を十分に浴びることは、睡眠ホルモンの分泌を高めます。私たちの体は200万年前から昼間に活動し、夜に眠るようにできています。自然に合わせて生活することが、体が一番喜ぶことなのです。

 (滋賀医科大教授 宮崎総一郎)

■先生に質問!

 《記者からの質問》

 交代制勤務で、睡眠が不規則になる人も大勢います。対策は?

 《宮崎教授の答え》

 ある工場は、昼間勤務2日、夕方勤務2日、深夜勤務2日、休み2日という勤務形態でした。体内時計の観点から見ると、日本で2日、パリで2日、さらにシカゴで2日働いて戻ってくるような状態です。

 時差ぼけにも似た生活リズムの不規則さは、体と心に大きな負担をかけます。そこで昼間勤務5日で1日休み、夕方勤務5日で1日休み、深夜勤務5日で3日休みという勤務を提案しました。勤務時間数は変わりませんが、生活リズムの変化がゆっくりなので、疲労度は半減しました。体のリズムを考えて働くことが疲労回復や事故防止に役立ちます。

○もっと知りたい人へ

 「人生、寝たもの勝ち」(ポール・マーティン著、ソニーマガジンズ)▽「睡眠心理学」(堀忠雄編著、北大路書房)▽「ササッとわかる『睡眠障害』解消法」(井上雄一著、講談社)▽「ヒトはなぜ眠るのか」(井上昌次郎著、筑摩書房)▽「ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?」(ウィリアム・C・デメント著、講談社)

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