2009年6月26日
生薬の世界は、あらゆる自然物を扱う博物学に近いものだったらしい。その材料は、ゴキブリから真珠まで様々な動植物に及んだ。まさに「百薬」。
明薬資料館(東京都清瀬市)に約100種の実物資料が並ぶ。解熱に使われたイッカクやサイの角。母乳の出を良くしたというセンザンコウの皮膚。「竜骨」なんてものも。昔の日本人は異国の珍品を見て、さぞ想像をめぐらせたことだろう。
目玉は「木乃伊(ミイラ)」。つまり、乾燥した人肉だ。止血剤として、江戸時代に数十体が輸入された記録がある。宝暦5(1755)年、三河国創業の薬局を実家に持つ卒業生が82年に寄贈した。ほんの一部分だが、国内唯一の現存品という。国立科学博物館から「本物」とお墨付きは得たものの、「身元」は不明だ。岡田嘉仁教授は「エジプト産が最上とされたようですが……。興味は尽きませんね」。
同館を訪れれば、ミイラとりがミイラになること請け合いだ。(石川智也)
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資料館には、10センチ四方の引き出しが縦横に並ぶ「百味箪笥(たんす)」など古い薬局道具も展示されている。入場無料。開館は火水木土曜(祝日と第2土曜は休館)。問い合わせは同館(042・495・8942)へ。
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