多摩大学学長 中谷巌氏
多摩大学学長 中谷巌氏
「退屈な」人間になるな。今こそ、気づいて変われ。
私塾。それは教師が学生に一方的に知識を教える場所ではなく、教師と学生が、あるいは学生同士が「対話」を通じて熱い想いをぶつけ合う場所。そして、互いに学び、新たな知恵を想像していく場所。従来型の講義中心・一方的な知識伝授型の大学を脱皮し、学生の人間的成長を何よりも重視する対話中心の「現代の私塾」を目指している多摩大学の中谷学長にお話しを伺った。
■「小さくても“きらり”と光る大学」を目指し、改革を進めてきました。
海外の気のおけない親しい友人たちと話をすると、「日本人はとてもまじめだが“boring”(退屈)だ」と言われることがあります。ビジネスの場で仕事の話はそこそこできても、ビジネスを離れて食事をしたり、社交の場になると相手と意味のある深いコミュニケーションができない。表面的な会話に終始し、ニコニコしてはいるけれども、相手から見て「この人は面白い」「もっといろいろ話してみたい」と思わせるような話ができないのです。
もちろん“退屈でない”日本人もいます。日本人に限らず、魅力的で面白いと思われるような人に共通しているのは、「人間」に大きな興味を持っているということです。人間に興味と関心があるので、自然に、人間の営みである宗教や文化、歴史などに好奇心が向くのです。好奇心が強くなると、人と議論をしたり、いろいろな本を読んだり、美術館や音楽会に足を運ぶなど、自然に教養が磨かれていきます。
私たちはまず、このこと、すなわち、「人間に対する好奇心がすべての出発点であること」に気づくことが大切です。この“気づき”があると、今度はやがて自分を磨くことに関心がいきます。自分もひとかどの人間になりたいと思うようになり、自分にとって必要だと思われる能力を磨き上げようという気になります。しっかりした人間としての基礎があり、その上に特定分野でのプロフェッショナルな知見を備えた人材。これこそ社会で活躍する上で最も重要な要件なのだと思います。
■“気づき”のリンクを沢山張り巡らせています。
経営情報学部では、生き方・学び方を気づいてもらうための“自己発見”。グローバル社会で自らの意見を(英語で)発信することの重要性と楽しさに気づいてもらうための“イングリッシュシャワー”。現代の私塾として先生と密接な関係の中で人間的な魅力や考え方に気づき、そして自分自身の志へと昇華させる“ゼミ中心”のカリキュラム。こういったさまざまな“気づき”のリンクを用意してきました。こうした取り組みの中で“きらり”と目の中に何かが輝く学生が多く育っているのを実感しています。
そして2007年4月には湘南の地にグローバルスタディーズ学部を開設しました。世界のフラット化が進み、グローバルな発想が一段と強く求められる時代。世界に通用する論理的能力の訓練に加え、日本の歴史や文化を熟知させるカリキュラムを用意しています。授業はすべて英語で行います。そして、教授陣は日本人、アメリカ人、イギリス人、フランス人、オーストラリア人、タイ人、ドイツ人、ウズベキスタン人などきわめて多国籍にわたり、ほとんどが世界の有名大学の博士号所持者です。少人数で議論中心の授業を進めていく内に、グローバルに通用するコミュニケーション能力が自然に身に付くようになっています。グローバル社会の中で自分自身を語れ、幅広く活躍できる日本発のグローバル人材を育てる。これがグローバルスタディーズ学部の目標です。
“きらり”と輝く人材が一人でも多く多摩大学から飛び立つこと。これが私たちの目標です。一人ひとりが“きらり”と輝き、集まればこの世界はよりすばらしいものになるでしょうから。多摩大学はこのような考えから、夢に向かって突き進む君たちを徹底的にサポートする体制を整えて待っています。