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〈学長力〉パワフルな女性育てる 昭和女子大学 坂東眞理子学長

2008年5月13日

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写真新入生と談笑する坂東学長=東京都世田谷区、門間新弥撮影

 ベストセラー「女性の品格」で時の人となった坂東眞理子・昭和女子大学長。周りから信頼され、逆境にもへこたれないような、しなやかで強い女性たちを育てようと、教育内容に知恵を絞る。

 ――女子大の役割とは?

 「人生設計の支援だと思う。いま、女性の社会進出はめざましい。でもまだ、家事や子育て、介護など、女性の負担は大きく、目に見えない男女差別もある。女性にとって思うようにならないことはいっぱいある。それでもめげずに、生き方を考え、キャリアを積める人を育てることだろう」

 ――大学で身につけてほしいことは何ですか。

 「まずは健康と体力。それから、自立できる専門知識や技術。さらに人間力、または品格といってもいい。マナーや約束を守り、他人への配慮ができ、周りから信頼され、簡単にあきらめないような力。こういうパワフルな女性をめざそうと、機会あるごとに呼びかけている」

 ――どんな教育内容を?

 「最初の1年間は『実践倫理』を必修にしている。生活習慣などを学んだ後、文化、歴史など幅広い教養を積んでもらう。私の講義も時々ありますよ。それと並行し『日本語基礎』で、作文の添削指導を受けたり、名作を読んだり。表現力を磨いてもらう」

 「また、ジャズや落語など15種類ほどの公演を、1年間で提供している。国内外で活躍する15人を講演会にお招きもする。学生はそれぞれ5種類を選んで視聴できるので、大学でどんどん未知の分野に触れ、関心の幅を広げてほしい」

 ――ボランティア活動にも力を入れているとか。

 「コミュニティー・サービス・ラーニングといい、05年から始めた。活動前に講義で社会的意義を知り、活動後に体得したことをリポートにまとめる。その一連の学びに対し、単位を与えるもの。地域FM局『エフエム世田谷』の情報番組づくりや、子どものケア、外国人を応援するための英語イベントなど。だれかを助けてあげているつもりでも、実は、自分が大勢に助けられていることに、みんな気づいてくれるはず」

 ――今は大学が国際化しているかどうかも問われます。

 「昭和女子大は、アメリカのボストンに17万平方メートルのキャンパスと、250人を収容する宿泊施設を持つ。これをフル活用しない手はない。英文系学科の学生には5カ月の研修を必須としてきたが、18カ月や12カ月の選択肢もつくった」

 「英文系以外の学生にも、春や夏の4週間を利用したプログラムを提供している。帰国後の英語テストで平均点が跳ね上がるというから、効果は大きいみたい。両親から完全に離れ、異文化にも目覚めるので、自立を後押しすることにもなる」

 ――4年間で、人間力も備えた女性に育てるのは大変。

 「社会に送り出した後も、支援し続ける大学にしたい。結婚や出産で退職したママたちが、職業に再チャレンジする講座『元気にママチャレ!』を昨年秋から始めた。11週間で週2回ずつ、英語やパソコンなどを学び、その間、ビジネスに関する大学の講義を聴くことも可能。子どもを一時預かりもする」

 「今年の2月、3月には世田谷区と一緒に、働く女性がより力をつけるための各種講座も、週末を中心に設けてみた。ビジネスマナーや話し方、聴き方のノウハウ、起業支援など。企業がリストラで人材育成力を落としている分、大学により大きな教育力が期待されるし……」

 ――まだやりたいと思われることがありそうですね。

 「来年度は2学科を新設する。食、栄養、スポーツ、感覚の専門知識を身につける『健康デザイン学科』など。それから同窓会にお願いをして、20代、30代の卒業生が学生とふれあう機会もつくりたい。小学校教員のグループ、企業人のグループなどがそれぞれ経験談を語ってくれれば、女性の人生設計の大きな支援になると思う」(山本晴美)

    ◇

〈プロフィール〉東京大卒。総理府(現・内閣府)で子育てしながら女性政策などを担当。埼玉県副知事や豪州ブリスベンの総領事も務めた。07年4月、学長に。61歳。

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