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〈学長力〉国際社会ニーズに対応 立命館大学 川口清史学長

2008年6月3日14時48分

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写真留学生たちと談笑する川口学長(中央)=京都市北区、寺脇毅撮影

 入試の多様化や学部の再編に積極的に動き、「改革のデパート」の異名もある立命館大。かじ取り役の川口清史学長は何をめざすのか。(市原研吾)

 ――09年版の「大学ランキング」(朝日新聞出版)で、他大学の学長が挙げた「注目する学長」の1位です。

 「強いリーダーシップを発揮してきた前理事長と前学長が退任し、昨年1月に学長に就きました。各大学が生き残りに必死の時代ですから、『次のトップはどう動くのか』と注目されているのでしょう」

 「うちは学部の壁を越えた改革をやってきた。他大学からみたら、そこがおもしろいのではないか。たとえば西日本最大規模の大学ながら、全学的に、入学時から35人クラスの『小集団教育』をしている。米国のアメリカン大との94年来のデュアルディグリー(二重学位)も、全学的なものです」

 ――改革の底流にあるものはなんですか。

 「80年代からの改革では『社会との呼応』を考えるようになりました。それ以前の『学生のため』の改革に加え、社会のニーズも意識しだしたのです」

 「00年に大分県別府市に立命館アジア太平洋大(APU)をつくるとき、『失敗するぞ』とか『留学生がそんなに集まるのか』とさんざん言われました。でも、僕らは英語と日本語で学位がとれる教育が必要な時代になるし、留学生がたくさんくれば街も栄えると考えた」

 「今年1月、福田首相が『留学生30万人計画』を打ち出しました。現状の2倍強に増やすという内容です。僕らの動きと流れは一緒でしょう。今後、アジアに加え中東にも目を向け、国際社会のニーズに応えたい」

 ――他大学に先駆けて多様な入試方式を採用し、付属校なども増やしてきました。

 「地方での入試は56年度から、センター試験の活用は93年度から、AO入試は99年度からです。今後、一般入試では2教科試験を少なくして、多教科重視にシフトします。幅のある学生に入ってきてほしい」

 「今春、小学校から大学までの連携を進める『一貫教育部』という部署をつくりました。来春には付属の4高校出身の学生は全体の15%になる見込みです。これを立命館大への進学クラスのある3高校と合わせて20%に上げるのが目標です」

 「一貫教育だからこそ高校でも専門性を出せる。高校ごとに特色があっていい。実際、立命館宇治高校(京都府宇治市)は英語教育、立命館高校(京都市伏見区)は理系教育に力を注いでいます。たんなる拡大路線や囲い込みではないんです」

 ――学部再編も盛んです。

 「今春は生命科学部と薬学部をつくりました。ライフサイエンスの分野は時代のニーズに合っているし、薬学も総合大学で学べば幅が出ます。一般入試では、生命科学部が280人の定員に対して志願者が9千人を超えました。スポーツ・健康系の新学部も2年後の設立に向け話を進めています」

 ――京都の地域性を生かした教育や研究にも力を入れるそうですね。

 「昨春に設けた映像学部では『産学公』が連携しています。松竹グループとは映像作品のデジタル復元に向けた共同研究を進め、学生は撮影所で研修を重ねます。映画による地域づくりのプログラムを京都府が補助金を出して支えます」

 「文学部には来春、4年間で京都の歴史的価値を学ぶ『京都学プログラム』専攻を設けます。日本文化の源流としての京都を学ぶ全学的な総合機構をつくり、『国際京都学会』も立ち上げるつもりです」

   ◇

 中国生まれの高知育ち。政策科学部長などを歴任。専門は非営利組織論。国際公共経済学会理事を務める。趣味はアメフット観戦。62歳。

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