フランス人海洋考古学者、フランク・ゴディオ氏は、1992年、エジプト考古最高評議会とともに大規模な海洋考古学のプロジェクトを開始します。ただ、予備知識なしに海に飛び込んでも、何も発見できません。アレクサンドリア沖の海中は大変視界が悪く、1年のなかでも限られた時期しか探索ができないほどです。
まず、古い文献をひも解き、仮説を立てることがとても重要な作業です。そのうえでゴディオ氏は、遺物が砂や堆積物に埋もれていても位置を突き止めることができるよう、まず船上から磁気探知機などの機器を用いて、電子的に探索エリアの様子を正確に把握。それから砂や堆積物を取り除き、ダイバーが遺物の位置などさまざまなデータを計測・記録します。
遺物を引き揚げる作業は慎重に行われます。重いものが多いので、引き揚げの最中にひもや金具が外れることはないか、バランスは取れているかなど注意深く作業を進めます。そしてやっと、長い間海に眠っていた遺物は海上へと顔を出すのです。