
[第30王朝、前4世紀ごろ]
神の像を安置し礼拝するための祠(ほこら)で、外側には古代エジプトの10日ごとに見える星(デカン)が記されています。
18世紀後半にフランスの博物学者がエジプトで発見した祠堂の三角形の屋根は、19世紀以降今日までパリのルーヴル美術館に収められています。20世紀前半に底部と背面にあたる断片が見つかり、ルーヴルの所蔵品と組み合わせられることが判明しました。さらに1999年、ゴディオ氏のチームが海底から発見した4つの部分の断面がこれらに一致することが分かり、祠堂の完全に近い形が明らかになったのです。200年越しの歴史的パズルが完成した瞬間でした。

[プトレマイオス朝、前3世紀ごろ]
両腕を体に付け片足を前に出す姿勢はエジプト的な要素ですが衣服のひだの表現はギリシャ風です。また、ショールの結び方「イシス結び」は、プトレマイオス朝の王妃像によく見られる特徴です。ギリシャ神話の愛と美の女神アフロディテの化身であるとされたアルシノエ2世の像と考えられています。