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展示作品案内

紀元前からギリシャやエジプトの文献に名前が登場する、由緒ある都市です。プトレマイオス朝の時代には「セラピス神」がまつられる「セラピウム」という聖域があったことで知られていました。セラピス神とは、エジプトのオシリス神(死後の世界を司る神)と聖牛アピスが融合しこの時代に作られた神で、ギリシャ風の顔をしています。セラピス神信仰はカルタゴなど地中海世界へと広がりました。

カノープスはエジプトと地中海世界をつなぐ要所でもあったので、さまざまな地域から人々が聖なる力や商売のチャンスを求めて巡礼し、訪れる人のための遊興場も林立した活気ある場所だったようです。ゴディオ氏が率いるチームにより、海底から神殿跡と思われる遺構や祠(ほこら)など信仰に関連する彫像、遺物が見つかりました。

カノープス

ヘラクレイオン
アレクサンドリア
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セラピス神像の頭部

[プトレマイオス朝、前2世紀ごろ]
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ファラオ像の頭部

[第26王朝(サイス朝)、前7〜前6世紀ごろ]
第26王朝のファラオの彫像。神々と王だけがかぶるネメス頭巾をつけ、その額には王権の象徴であるウラエウス聖蛇がみられます。
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「デカン」の祠堂

[第30王朝、前4世紀ごろ]
神の像を安置し礼拝するための祠(ほこら)で、外側には古代エジプトの10日ごとに見える星(デカン)が記されています。
18世紀後半にフランスの博物学者がエジプトで発見した祠堂の三角形の屋根は、19世紀以降今日までパリのルーヴル美術館に収められています。20世紀前半に底部と背面にあたる断片が見つかり、ルーヴルの所蔵品と組み合わせられることが判明しました。さらに1999年、ゴディオ氏のチームが海底から発見した4つの部分の断面がこれらに一致することが分かり、祠堂の完全に近い形が明らかになったのです。200年越しの歴史的パズルが完成した瞬間でした。
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王妃の像

[プトレマイオス朝、前3世紀ごろ]
両腕を体に付け片足を前に出す姿勢はエジプト的な要素ですが衣服のひだの表現はギリシャ風です。また、ショールの結び方「イシス結び」は、プトレマイオス朝の王妃像によく見られる特徴です。ギリシャ神話の愛と美の女神アフロディテの化身であるとされたアルシノエ2世の像と考えられています。
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オシリス・カノポス像

[ローマ支配時代、後1〜2世紀ごろ]
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ウェディングリング

[ビザンツ時代、後6〜8世紀ごろ]
「平和、我のもの、汝に与える。アーメン」という福音書の言葉が刻まれた金の指輪。
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ナイル神の像

[ローマ支配時代、後2世紀]
カノープスの神殿があったと思われる場所で発見されました。
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イシス女神像

[ローマ支配時代]
イシス女神像と抱かれている子ども(ハルポクラテス神)の像は異なる時代に別々に見つかり、後に、かつては1体の像だったことが判明しました。
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三日月形のイヤリング

[ビザンツ時代、後6〜8世紀]
このようなピアス形のイヤリングは、ビザンツ時代に最も好まれたアクセサリーでした。