【第22回】(最終回)
Look at things from a different point of view.
※文中の英文をクリックすると、対訳をご覧いただけます。
Time is money.「時は金なり」。時の大切さはわかっていても、年齢を重ねるにつれて、時間の経過が早まっていく。周囲でもそう思う人が多いらしく、こんな会話をよく交わす。「I can't believe a year has already passed. 」「え〜?あれってついこの前のような気がするけど、もう一年も前のことなんだ。時間がたつのは本当に早いよね〜」
先日出席したプロジェクトマネジメントの会合で、逆の考え方を聞いた。「一年というのは案外長い。一年かけて成果を出すのではなく、例えばConcentrate really hard for two weeks and achieve something. 」 社外勉強会を企画している人に対し、シドニー工科大学の小原客員教授が贈ったアドバイスだ。
時間をどう捉えるかは、年齢ではなく、考え方で決まる。20分間のジョギングは、普段走り慣れていない私には、とても長く感じる。もう20分ぐらいたっただろうと時計を見て、「Still a long way to go. 」とがっかりすることはしょっちゅうだ。以前、3分間番組の制作に携わっていた。かなりの内容を、3分に凝縮して伝えることができる。
海辺のリゾートで過ごす数日間は、充実している。日頃の雑事から解放され、波の音や鳥のさえずりを聞き、ゆったりと食事を取り、沈む夕日を見て、満天の星空を眺めている間、時は、実にゆっくり流れていく。普段の生活でも、意識を変えることができれば、時間は長く感じられるはずだ。
意識しだいで変わるのは、時間だけではない。日本では、年配者ほど地味な格好をしがちだ。派手な格好をしようものなら、「年寄りなのに」と言われかねない。アメリカでは、派手な服装を好む年配のご婦人が多い。ハワイの島内観光バスツアーで昨年一緒だったルイーズも、花柄のワンピースを着ていた。皆の前でフラダンスも披露した60代とおぼしき彼女は、quickly became popular among her fellow tourists. ツアーを大いに盛り上げてくれた。肌がくすみがちな年配者こそ、明るい格好をしてみたらどうだろう。
「〜でなければいけない」と凝り固まった見方をすると、柔軟な考え方ができなくなる。私自身、思いこみが激しく、have a tendency to think negatively. 「前向きに考える」ための本や雑誌を何冊読んだことだろう。他にもそういう人が多いに違いない。書店には、「元気が出るための本」を一カ所に集めているコーナーが大抵ある。本を片っ端から読んでいる時は、「なるほど。This is what I lack! 」 と納得する。いざ実世界で日々の出来事に直面すると、実践できない。ポジティブシンキングとは正反対のネガティヴスパイラルに入りこみ、落ち込む。
8歳の姪は、ポジティブな力で満ち溢れたような子供だ。猛暑だった昨年、普段住んでいる広々としたイギリスの家や涼しい気候から一転して、東京の6畳間に母親と兄弟3人で寝泊りした。その際も、すこぶる楽しそうだった。「Why does she look so happy? 」 子供の無邪気さだけではない。彼女のにこにこぶりは、周りの気持ちも楽しくさせる。あの明るさが私にも欲しい。
One year has passed since I started writing essays for Asahi.com. 過去を振り返り、考えを整理することで見えてきたことがある。すぐ落ち込みがちな私を支えてくれるのは、「いろんな生き方や考え方がある」ことを気付かせてくれる人々や、文章や音楽や映像だ。レジュメプロの仕事でも、「自分の弱みを嘆くのではなく、自分の強みを最大限発揮し、自分の弱みを補っていく」ことを日々学んでいる。
「コーチング」も、この「気付き」に基づいている。こうすべきだ、と教えるのではなく、物事の見方を本人が変えられるようサポートする。そうすることで、本人が自らどう行動すべきかに気付く。
自分はもうダメだと思い、行き詰まったように思える時でも、視点を変えて見ることで、解決方法が見つかることもある。日々自分に起こる出来事に、「自分がどう向き合うか」が大切だ。
アサヒコムで書くエッセイは、今回が最終回になる。皆さんが読んで下さったおかげで、全22回を続けることができた。ありがとう。機会があれば、またどこかの場で書きたい。その時はどうぞよろしく!
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