【第4回】
If I'm down,…
※文中の英文をクリックすると、対訳をご覧いただけます。
「新入社員の頃と比べると、ソフトになったね」。上司に言われた。彼とは入社して間もなくの頃からの付き合いだ。まわりのことを思いやる余裕など無かった20代、若気の至りでずいぶんと失礼なことも言ったのだろう。
“My extensive experience has enabled me to mature as a person” にこやかに言ってから、思った。待てよ。この評価って「過去の私」との比較? 他の人と比べれば、私はまだ丸くないってこと?
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「日本とアメリカでは、提案に対する受容度が違うんだよね」。高校時代の友人が教えてくれた。中学時代をアメリカで過ごした彼は、日本の高校、大学と進んでから、日本の半導体メーカーに就職した。「現在の規則をこのように変更すれば、より効率的になると考えます!」。新人時代、彼が張り切って会議で提案したら、上司の雷が落ちた。“Don’t express your opinion! The decision has already been made.”
数年後、彼はアメリカで働くチャンスを求めて、東京にオフィスがある米国資本の半導体メーカーに転職した。彼を転職に向かわせた理由は他にもある。そもそもその会社が業界で高い評判を得ていたこと、外資系のカルチャーと言われるものに興味があり、評価の仕方が自分に合っていると感じたからだ。
新しい職場で働き始めて間もなくのことだった。取引先に納入した部品の修理依頼に対処する際のサービスプロセスの改善方法を考えついた。彼が考えた方法を使えば、重複する無駄な作業を省きプロセスを簡素化することができる――しかし、Having learnt his lesson from his previous workplace, he remained a silent observer for some time. ある時「業務の効率化をどう進めるか」というテーマが職場で話しあわれた際、思いきって上司に「以前から思っていたことなのですが……」と言い出せずにいた改善案を示してみた。上司は怒った。「黙ってちゃダメじゃないか!」
ちなみに、彼はその後、米国本社に転勤、転職時の「アメリカで働く夢」を実現させた。
◇
人間ひとりの知恵などたかが知れている。最近、組織の構成員の知恵を共有し合うナレッジマネジメントの重要性が盛んに言われている。私の職場でも、複数の人が自由に意見を出し合う「ブレインストーミング」が行われている。提案が正しければ、採用すればいいだけのこと――のはずなのに、現実は、言うはやすく、行うは難し。なぜなんだろう?
In my case, pride stands in the way. 現状に対する改善策を他人から示されると「批判されたのでは?」と身構え、「そうは言うけど、でも……」とついつい防衛に走る。そんなことを繰り返していたら、いつか、誰も、私に何も言ってくれなくなってしまうことくらい分かっているはずなのに。プライド。私のプライドって、いったい何だろう?
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I am blessed in my current workplace. 幸い、私の周りには、意見を聞いてくれている人たちがいる。でも、オープンに言う私の態度が、時おり、摩擦を生むことも事実。
“I might have said too much. Maybe I should have put it differently. ”
実は、しょっちゅう悩んでいる。どこまでロジカルに進め、どこにファジーさを残すのがいいのか、その見極めが、分からない。
休暇先でのんびりつかっていた温泉での出来事。女性同士のこんな会話を耳にし、どきっとした。“If I feel invigorated, nothing will bother me. However, if I’m down, I’m overly sensitive to criticism.”
様々な考え方を持ち、立場や状況に応じて気持ちも変わる人々と、同じ職場で働く者としてどう接すればいいのだろう。相手の気持ちを慮って業務を進めることって、できるだろうか。対人関係を円満に運んでくれる「魔法の杖」。日々意識し自省し続けていれば、そのうち見つかるのだろうか?
これといった確信はないけれど、「向上心」も一つの鍵ではないかと最近思うようになった。Unless I have something meaningful to say, no one will listen to me. 学生時代は勉強する意義を見出せなかった私がいま、仕事を通して学ぶことの必要性を痛感している。
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