現在位置:asahi.com>ENGLISH>Asahi Weekly

【NATIVE TERMS】

訪ねてみたい英語の街
マンチェスターとバーミンガム(Manchester & Birmingham)

尾崎哲夫
元近畿大学教授

 18世紀の半ばにイギリスで起こり、その後の人類の歴史に大きな影響を与えたのが産業革命(Industrial Revolution)です。この産業革命の中心となったのが、イングランド北部のマンチェスター(Manchester)と中部のバーミンガム(Birmingham)です。

 産業革命は動力技術(power technology)における革命で、それまで水車(water wheel)や風車(windmill)によって得られていた動力が蒸気機関(steam engine)にとって代わられるようになりました。

 マンチェスターはもともと綿工業(cotton industry)が盛んな街で、Manchester goods(マンチェスターもの)といえば綿布類を指すほどです。18世紀半ばに蒸気機関が導入され、それまでの家内制手工業(cottage industry)が工場制機械工業(factory-based industry)へと転換し、生産が飛躍的に伸びました。そして19世紀に入るとロンドンに次いで最も繁栄した都市になりました。

 プロスポーツの世界でマンチェスターの名前を高めているのが、1858年に創設されたサッカークラブ、マンチェスター・ユナイテッドです。同チームのホームスタジアムであるオールド・トラフォード(Old Trafford)は、数々の名試合が行われてきたことから「シアター・オブ・ドリームズ(夢の劇場)」という愛称で呼ばれています。

 バーミンガムは現在ロンドンに次ぐイギリス第2の大都市です。18世紀までは小さな街でしたが、産業革命の時期に金属工業(metal industry)や機械工業(machine industry)の分野で飛躍的な発展を遂げました。

 産業革命の立役者のひとりとしてジェイムズ・ワット(James Watt, 1736−1819年)が有名です。ワットはバーミンガムの実業家であったマシュー・ボールトン(Matthew Boulton,1728−1809年)と協力して蒸気機関を改良、実用的な蒸気機関を開発しました。もともと蒸気機関は炭鉱(coal mine)の水のくみ出しや紡績機(spinning machine)を動かすために開発されたものですが、その後、さまざまな機械や工業製品の製造に用いられるようになっていきます。

 そして19世紀の初頭には蒸気機関車(steam locomotive)が発明され、人や貨物の移動速度が飛躍的に高まりました。最初の実用的な蒸気機関車はジョージ・スティーブンソン(George Stephenson,1781−1848年)の発明によるもので、マンチェスターとリバプール(Liverpool)を結ぶ鉄道に採用されました。こうして1830年、世界初の営業鉄道が開通したのです。

 18世紀後半のバーミンガムにはボールトンとワットを中心に科学と技術の分野における先駆者たちが多く集まりました。酸素の発見者であるジョウゼフ・プリーストリー(Joseph Priestley,1733−1804年)や、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの祖父エラズマス・ダーウィン(Erasmus Darwin,1731−1802年)、イギリス陶器産業(pottery industry)の父ジョサイア・ウェッジウッド(Josiah Wedgwood,1730−1795年)など、そうそうたる人々です。

 それでは今回取り上げた街に関連した英文とミニ英会話を付記します。

【旅の英語表現 マンチェスター&バーミンガム編】

  • -- Industrial Revolution is a revolution of power technology. (産業革命は動力技術の革命だ)
  • -- Waterwheels and windmills gave way to steam engines.(蒸気機関が水車や風車に取って代わった)
  • -- The first steam locomotive linked Manchester with Liverpool. (最初の蒸気機関車はマンチェスターとリバプールを結んだ)
  • -- Many children were compelled to work in coal mines. (多くの子供たちが炭鉱での労働を強いられた)

【ミニ英会話表現 レストランでの食事編】

  • -- What's today's special?(今日の特別メニューは何ですか?)
  • -- What do you recommend?(何がお勧めですか?)
  • -- I'd like to have it on the side.(別に持ってきてください)
    ※ on the side は「添え料理として」、主料理でも「別の皿で」の意味の決まり文句です。
  • -- May (Can) I get some Tabasco? (タバスコをください)
  • -- This steak is too rare. Could you take it back?(このお肉は生すぎるのでもっと焼いてください)
  • -- Very delicious! I really enjoyed it!(とてもおいしかったです!)

 ※英米のレストランでの夕食の場合、通例メニューには次のような順で飲み物や料理が記されています。Aperitifs(食前酒)⇒Hors d'oeuvres(オードブル)⇒Soup(スープ)⇒Salad(サラダ)⇒Entrée(主菜)⇒Fresh Fruit and Fine Cheese(フルーツとチーズ)⇒Dessert(デザート)。もちろんすべてを注文する必要はなく、自分の食べたいものを頼んで構いません。

Asahi Weekly, June 3, 2007より

このページのトップに戻る