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【ENGLISH LEARNING】

英語学習に活かすTOEICテスト

森 勇作
英語教育コンサルタント

 8月から始まった第2ターム「発信力につなげる英文法」の第4回目です。ここまでは、品詞、動詞の語法、名詞関連問題といった単文単位の文法項目を取り上げてきました。今回は少し大きな視点から、句や節をつなぐ役割を果たす文法項目を解説します。では、早速下線部に入る適語を選ぶ例題に挑戦して下さい。

【例題1】

____________ the impact of his mistake, the supervisor feared that his job was at stake.

 A) Understood B) Understand

 C) Understanding D) Understands

 いかがでしょうか?正解はCです。この文は分詞構文と呼ばれ、高校で学習します。考え方を簡単に復習しましょう。副詞節と分詞構文の関係は次のように教わったはずです。

1) As he understood the impact of his mistake, the supervisor feared that...

 この文の接続詞 As と主語he を消して、動詞 understood を understanding に変えれば、2) の分詞構文ができあがります。

2) Understanding the impact of his mistake, the supervisor feared that...

 このように書き換えが可能なほど、両者は密接な意味関係にあります。TOEICでは例題のような分詞構文が出題されますが、ここでその理由を考えてみます。分詞構文は「文語的である」「形式ばっている」と学校で習ってきたこともあり、使う機会が限定されています。従って、いざ英語で文章を書く際にも適切な使いどころが分かりません。

 この点から推測すると、今までに取り上げてきた用法上のミスに焦点をあてた文法問題とは異なるようです。

 つまり、分詞構文が出題される大きな理由のひとつは、読解力のチェックにあり、構造をしっかり理解し、意味が把握できているかを見極めることにあると言えます。

【対策】

 ではどうすればよいかですが、まずは英文を読む時に、常に「S+Vの文構造」を意識しながら読む習慣をつけることです。こうすることで、分詞 (現在分詞または過去分詞) で始まる文も、後ろに続く主節から分詞構文であると判断しやすくなります。

 分詞構文であると気付けば、前述した1)から2)への流れを反対に考えれば意味が取れます。つまり2)の文に主節の主語を補って、次に接続詞を考えればよいのです。ただし、分詞構文が使われるのは2つの節が密接な関係にあり、明らかに意味が伝わる場合です。さて、分詞構文に関してはこれでひとまず終わります。続いて「接続詞」を取り上げます。まずは例題を用意したので下線部に入る適語を選んでみて下さい。

【例題2】

____________ the lack of time and manpower, the programmers were able to complete the alpha version of the software two days before the deadline.

 A) Despite B) Although C) Even D) However

 一見するとどれも同じような意味を持ち、正解のように思えますが正解はAです。それぞれの品詞と文中での役割を考えることで、誤った選択肢を消去できます。Bは接続詞なので後ろにはS+V..., S+V... の構造を取ります。Cは副詞なので空所には不適。同じくDも副詞のため不適。ちなみにAは前置詞で直後の名詞と共に副詞句を形成しています。

【注意すべき接続詞の用法】

 例題のように同じような意味を持ち、接続詞に似た働きをする品詞は様々あります。これらに用法上のミスが目立つことから、TOEICでもねらわれやすい項目に挙げられます。そこで知識の整理を兼ねて、接続詞と混同しやすい他の仲間を紹介します。

●「〜する間」

 接続詞:while /前置詞:during

●「〜だけれども」(逆説)

 接続詞:although / 副詞:however, nevertheless / 前置詞:despite, in spite of

●「〜なので」(理由)

 接続詞:because, since, as / 副詞:thus, therefore, consequently, as a result /前置詞:because of, due to, on account of

●「〜する一方」(対比)

 接続詞:while, whereas / 副詞:on the other hand, in contrast

【言い換えのすすめ】

 今回学んだ知識を確実にするには、言い換え練習が効果的です。上に挙げた接続詞が使われている文を見つけたら、それを意味が同じ他の品詞で言い換えてみるのです。例えば、Since it started raining, the game was cancelled. を、As a resultを使って言い換えてみて下さい。それができたら、今度は due to です。正解は記事の最後にあります。なお別売CD『月刊 英語が聞こえる耳 9月号』には、4つの問題と正解が音声収録されています。

【練習問題】

 今回のポイントと復習問題を含む10問を用意しました。制限時間は5分、目標正答数は8問です。

1. ____________ that the deadline had been extended, George resolved to work through the weekend to finish the project.

 A) Relief B) Relieved C) Relieving D) Relieves

2. Several members of the staff were absent on Monday _________ illness.

 A) in spite of B) due to

 C) regardless of D) for the sake of

3. Mr. Cromwell embodies exactly the kind of ______________ that companies are always looking for in employees.

 A) diligent B) diligence

 C) diligently D) delinquency

4. ______________ by the failure of the campaign, the managers promptly fired the marketing director.

 A) Astounded B) Astounding

 C) Astound D) Astoundingly

5. While waiting in the car for their parents to return, the two children grew__________ and began to bicker.

 A) relentless B) restful C) restless D) restfully

6. A _____________ set of jazz vocal standards will be released at the end of the month.

 A) three-CD B) three CDs

 C) package of three CDs

 D) including three CDs

7. The weather eventually cleared up, so it was not necessary to ___________ the game after all.

 A) prohibit B) prorate C) prepare D) postpone

8. Locating ____________ candidates for positions has been a challenge for the human resources department so far this year.

 A) qualification B) qualified C) qualities D) qualifies

9. ______________ to gather support for his plan, Mr. Wilkins decided to explain the details to various staff members individually.

 A) Hoped B) Hoping

 C) Hopefulness D) Hopeless

10. The manuscript will be delivered to the editor_____________ the proofreading is done.

 A) owing to B) in time for

 C) as soon as D) due to

 (問題作成者:John Garras)

【問題解説】

 1.分詞構文の問題です。空所の前にGeorgeを補って考えるとGeorge is relieving ではなく、George is relievedであることが分かります。従ってBeing relievedとなりますが、受身のBeingは通例省略されます。正解はB。

 2.接続詞関連の問題です。Aは「〜にも関わらず」、Bは「〜のせいで」、Cは「〜にも関わらず」、Dは「〜のために」( 目的) の意味です。正解はB。

 3.品詞の問題です。前置詞の直後、関係代名詞の直前にあるので空所には名詞が入ることが分かります。従ってBかDに絞られます。Dは「職務の怠慢」の意味なので不適。正解はB。

 4.分詞構文の問題です。空所の前にthe managersを補って考えると、the managers are astoundedとなることが分かります。従ってBeing astoundedとなり、受身のBeingは省略されます。正解はA。

 5.語彙 (い) 問題です。Cが「落ち着きのない」の意味であることを知っていれば、正解できます。正解はC。

 6.名詞関連の問題です。ハイフンでつながれた数字と名詞の組み合わせは複数形にしません。正解はA。

 7.語彙問題です。D「延期する」の意味を知っていれば、正解できます。正解はD。

 8.品詞の問題です。空所に入る語は直後の名詞candidatesを修飾するので形容詞だと分かります。正解はB。

 9.分詞構文の問題です。空所の前にMr. Wilkinsを補って考えると、Mr. Wilkins hopedとなることが分かります。分詞構文では動詞を〜ing形にするので正解はB。

 10.接続詞関連の問題です。空所の前後にはそれぞれS+Vの構造があるため、空所には接続詞を入れるべきだと分かります。正解はC。

    *    *    *

【接続詞の言い換え練習正解】

:It started raining. As a result, the game was cancelled. / The game was cancelled due to rain.

Asahi Weekly, September 16, 2007より

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