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【語源で探る英単語】

【sit】

宮前 一廣 トフルゼミナール講師

 今回はset (配置する)と sit (座る)の関係を見てみましょう。両者はアメリカの小・中学生にとっても紛らわしい単語で、試験にもよく出題されます。大きな違いは、setがモノを「座らせる」ことであるのに対し、sitは自分が「座る」ことです。set は元来sit の他動詞で「ある状態に置く」が本義でした。

 sitのtがdに変わってできた語がsaddle「サドル、鞍 (くら)」です。saddleとは「座るところ」が本来の意味でした。saddleのsをhに変えて出来たのがギリシャ語から発展したcathedral (大聖堂)です。cathedral のca- は「下」を意味する接頭辞 cata- が音変化したもので、元々は法王がsit downする「場所」のある教会という意味でした。

 cathedralとよく似た語がフランス語から発達したchair (イス)です。「椅子」と「座る」は随分と異なった発展を遂げた結果、現在ではまったく似つかなくなってしまっていますが、両方とも同じ語根から発達した単語なのです。本来のchair は法王が座る貴重な品物だったのです。

 会議は椅子にsitしたり、テーブルにsit at して行われることからsession (会議) が生まれました。また、会議に参加した人のpre- (前に) side (座る)ことからpreside =「議長を務める」となり、「人」を意味する接尾辞の -antをつければpresident (大統領や社長) が出来上がります。presidentは単に会議で「前に座っている人」という意味にすぎないのです。さらに人間が「座る」のではなく、魔物やキツネなどがob- (反対)してドッカと「座って」離れようとしないのがobsess (取りつく)です。

 動き回らずに「座って (sit)」する仕事を日本語で「デスクワーク」と言いますが、英語ではこうした仕事をsedentary (座った) という形容詞を使ってsedentary job (座ったままでする仕事) と表現します。

 assiduous (勤勉な) は、わき目も振らずただ「ひたすらずっと隣に (as-) 座り使える」の意味から生まれました。また、隣に座って仕える人=assistant (助手、アシスタント)も「勤勉に人のそばでじっと座っている人」を意味しています。

 さて、setは腰をどっかと落とすところから「定住させる」とか「住む」という意味に発展していきました。reside (定住する)はsettle (定住する)と同じくre- (後ろに)+side (座る)ところから「定住する」という意味になったのです。つまり、resideとは「後ろにドッカりと座って住居を構える」というイメージです。reside に人を意味する接尾辞の -antをつけるとresident (住人)が出来ますし、抽象名詞の語尾をつけるとresidence (住居)となります。では次回もお楽しみに。


Asahi Weekly, October 22, 2006より

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