【リヒテンシュタイン展】ピーテル・ブリューゲル2世「ベツレヘムの人口調査」1607年ころ
©LIECHTENSTEIN.The Princely Collections,Vaduz−Vienna
【中国 王朝の至宝展】跪射俑(秦時代・前3世紀、秦始皇帝陵博物院蔵)
【古谷蒼韻展】自宅の書斎で制作に励む=熊谷武二撮影
【フェニーチェ歌劇場公演】チョン・ミョンフン
【ピンクリボン】ポスター部門最優秀賞、野沢亮さんの作品
【ピンクリボン】ノベルティ部門最優秀賞、今成ゆきさんの作品
【操上和美写真展】明日を見る家族(1974年)シリーズ「陽と骨」から
■ブリューゲル 模写も生き生き「リヒテンシュタイン展」
東京・六本木の国立新美術館で3日開幕の「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展では、ラファエロ、ルーベンスなど西洋絵画の名品が多数並ぶなか、16世紀フランドル絵画の巨匠ピーテル・ブリューゲル関係の4作品の展示も見どころの一つだ。
ブリューゲルの絵画は当時から人気が高く、息子や孫、一族以外の画家などによって数多く模写作品が作られた。今回1点は次男のヤン・ブリューゲルによるオリジナルだが、残りの3点は後世の模写だ。なかでも長男のピーテル・ブリューゲル2世が制作した「ベツレヘムの人口調査」(1607年ごろ)は極めて精密な模写として原画の世界をよく伝えている。
本作では聖書のベツレヘムでの人口調査という話がフランドルの冬の農村に置き換えられている。登録所となった左端の居酒屋に人々は群がり、右端の凍結した池では子どもたちが遊び、画面奥まで雪の降り積もった家々が続く。中ほどにはラバに乗る青いマントのマリアとのこぎりをかついだヨセフがいる。日常の営みと自然が融合する中、その一部として聖なる物語がさりげなく進行していく。
展覧会は12月23日まで。
■比べて深める大陸文化 「中国 王朝の至宝展」
日中国交正常化40周年を記念する特別展「中国 王朝の至宝」が10日から東京・上野の東京国立博物館で開催される。時代や地域を代表する文物約170件を展示。見比べることで、夏から宋にいたるそれぞれの特色や違いが浮き彫りになる。
古代王朝の「蜀」対「夏・殷」のコーナーでは、四川盆地に栄えた蜀の金製品と、黄河中流域の夏や殷の典型的な青銅器を対置。金を多用し、人の形を造形化した蜀の異色の文化が際立つ。
秦と漢の違いは、埋葬品の「俑」のうち人物表現を比較することでわかる。秦の始皇帝陵から出土した「跪射俑」が等身大の兵士をリアルに表現しているのに対して、女官をあらわした小ぶりな「女性俑」からは漢文化特有の端正な様式美がうかがえる。
ほかに、春秋戦国時代の「楚」対「斉・魯」、唐代の二つの都「長安」対「洛陽」など。「遼」対「宋」では、近年発掘されて「まるで塔の王様」と話題を呼んだ1メートル超の「阿育王塔」(北宋)も特別出品される。
12月24日まで。問い合わせはハローダイヤル(03・5777・8600)。
■学び続ける書家の軌跡 「古谷蒼韻展」
現代日本書壇の最高峰の書家、古谷蒼韻さんの米寿を記念する展覧会が3日、東京・日本橋高島屋で始まる。日本芸術院会員、文化功労者として書道界で指導的役割を果たしている古谷さんの初めての回顧展。20代の作品から最新作まで約80点で、変化に富んだ書の芸術の軌跡を伝える。16日まで。
世俗を離れて清貧に生きた江戸時代後期の禅僧、良寛の詩を書いた「良寛句対聯」は、今年初めに発表した作品。老境を迎えて、すべての拘束から自由になろうと無我の境地で書いたという。落款には、世事に疎いという意味を表す「迂人」の文字が書かれている。
古谷さんは「平凡の反復という言葉を大切にしたい」と話す。88歳を迎えた今も筆を執って臨書に励んでいる。本展では日々の臨書や丹念な作品草稿を展示し、学び続ける書家の日常も紹介する。
■「オテロ」ドラマチックに 「フェニーチェ歌劇場公演」
イタリア・ベネチアの名門「フェニーチェ歌劇場」が来年4月、8年ぶり3度目の来日公演を果たす。
1792年創設。2度の火災に遭いながら復活を遂げ、「フェニーチェ(不死鳥)」の名を体現する歌劇場として世界に知られる。
今回はベルディ晩年の最高傑作と名高い歌劇「オテロ」を上演する。指揮はベルディを敬愛する巨匠、チョン・ミョンフン。「『オテロ』はベルディ作品の中で最もドラマチック。彼の音楽を指揮するのは深い喜び」と語る。「リゴレット」「椿姫」の名場面を楽しめる特別コンサート(演奏会形式)もある。
▼チケット情報
2013年4月17日(水)、19日(金)「オテロ」(Bunkamuraオーチャードホール)、18日(木)「特別コンサート」(東京文化会館)。10月7日(日)一般発売。「オテロ」S席4万5千円〜F席9千円、「特別コンサート」S席1万9千円〜D席7千円。問い合わせはBunkamura(03・3477・3244)へ。大阪ほかでも公演がある。詳細はhttp://www.asahi.com/fenice2013/。
■デザイン大賞決まる 「ピンクリボン」
乳がん検診の大切さを伝えるポスターなどを募集した第8回「ピンクリボンデザイン大賞」の受賞作品が決まった。1万6277点の応募の中から選ばれた。
ポスター部門は、仕事の合間に検診へ行く光景を切り取った写真に「日常、検診」と言葉を添えた東京都墨田区の野沢亮さん(31)の作品が最優秀賞を受賞した。東京都コピー部門では、横浜市の橋本典子さん(43)の「ピンクリボンは、運動ではなく行動です。」が最優秀賞に選ばれた。
受賞作は、都営地下鉄の車両広告などに使われる。また、ノベルティ部門最優秀賞を受賞した川崎市の今成ゆきさん(49)の作品は、トートバッグにデザインされ、ピンクリボンスマイルウオークの参加記念品として配られる。
■本能や感情あらわ 「操上和美写真展」
東京・恵比寿の東京都写真美術館で「操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。」展が開催中だ。
操上さんは時代と映像がパッと思い浮かぶCMを1970年代から世に出し、広告界をリードしてきた。研ぎ澄まされた感性で撮影し印画紙に繰り返し焼き付ける行為を経た写真には、愛情、思慕、扇情、郷愁、死生観といった作家の本能や感情があらわにされている。おもちゃカメラで撮った写真にも見る者の過去の記憶を手繰り寄せる引力がある。12月2日まで。
10月14日に操上さんと椎名誠さんの対談が開催される。詳細はhttp://www.syabi.com。問い合わせは東京都写真美術館(03・3280・0099)。