メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

トピックス
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

【紙面から】海景画が映す英国の世相 ターナー展

写真:スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕(だほ)された二隻のデンマーク船 (c)Tate2013−2014スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕(だほ)された二隻のデンマーク船 (c)Tate2013−2014

 10月に開催を控える「ターナー展」。英国の巨匠の生涯にわたる画業を総覧する、大規模な回顧展だ。

 注目作品の一つが1808年に発表された油彩画「スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕(だほ)された二隻のデンマーク船」だ。横幅2メートルを超える大画面には、大きな帆船から小舟までが、白い雲と黒々とうねる波の間に描き込まれている。

 こうした「海景画」は、彼の油彩画の約3分の1を占めるという。ターナーはなぜ海を好んで描いたのか。

 当時、イギリスは軍事や産業が発展した一方、美術的な面ではイタリアやフランス、オランダなどに後れを取っていた。「海景画は17世紀オランダが生んだ欧州絵画の伝統的テーマの一つ。ターナーはこうした正統なジャンルを高いレベルで描くことで、母国の美術を欧州諸国の水準に引き上げようとした」と法政大学の荒川裕子教授(西洋美術史)は見る。

 また当時、他国と戦争を繰り広げていたイギリス人にとって「国土の境界を示す海は砦(とりで)であり、誇り。愛国心から海の絵に対するニーズは高く、ターナーはそれを読む力に抜きんでていたのです」。雄大な海の風景には、時代の世相が秘められている。

 ターナー展は10月8日〜12月18日、東京都美術館で開催。

2013年7月17日付朝刊「イベントAsahi」掲載

    検索フォーム

    おすすめ

    映像化作品も多数、ばななワールドにまた触れてみませんか

    ボブ・フォッシーの名作舞台をロブ・マーシャルが映画化。米アカデミー賞作品賞を含む6部門受賞の大迫力ミュージカルドラマ

    メジャーでの活躍が期待されるダルビッシュ投手の軌跡をたどった初のパーソナルDVD

    いざというときでも困らない。ラジオ・携帯充電・LEDライト付きの手回しラジオ

    この映像を後世に残すために。143分収録永久保存版DVD。地元放送局が捉えた震災の実体と巨大地震・津波のメカニズムを解説

    空から見た、新聞紙面や朝日新聞デジタルには載ることのない日本の光景。

    朝日イベント・プラス

    • 話題のDVD、展覧会の出品作を紹介するカタログ、公式グッズがそろう朝日新聞社のオンラインショップです。

    朝日新聞イベント

    イベント情報について

    映像商品や展覧会図録について