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「ガレとジャポニスム」展、中山忠彦展、映画「うた魂♪」など 3月5日号

2008年3月5日12時9分

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写真壺「過ぎ去りし苦しみの葉」(1900年、サントリー美術館蔵、菊地コレクション)写真脚付杯「蜻蛉」(1903〜04年、サントリー美術館蔵)

 ■アールヌーボーに「あわれ」 「ガレとジャポニスム」展

 フランスのアールヌーボーを代表する芸術家エミール・ガレ(1846〜1904)と日本美術の関係を紹介する「ガレとジャポニスム」展が20日、東京・六本木のサントリー美術館で始まる。国内外のガレの名品約140件が並ぶ。

 ガレはフランス北東部のナンシー生まれ。19世紀後半に創作活動を始め、当時、大流行したジャポニスム(日本趣味)から大きな影響を受けた。ガラスや陶器、家具などの作品には、さまざまな形で日本美術との結びつきが見られる。

 「過ぎ去りし苦しみの葉」は、アールヌーボーの絶頂期に開かれた1900年のパリ万博に出品されたガラスの壺。器全体が日本の陶器風に仕上げられ、色とりどりの枯れ葉が舞っている。「もののあわれ」にも通じ、ジャポニスムとの関係がくっきり浮かぶ。

 トンボは西洋では一般的に不吉と考えられているが、日本では古代から親しまれてきた生きもの。ガレはトンボを好み、何度もモチーフとして使った。

 一方、万博当時パリに滞在していた東京美術学校(現・東京芸大)教授の浅井忠ら日本の芸術家たちは、日本の影響を受けたアールヌーボーを目の当たりにした。後に逆輸入し、日本の近代工芸デザインの原点を築いた。

 夏目漱石著「吾輩は猫である」の装丁をした橋口五葉も、日本のアールヌーボーを担った一人だ。漱石も留学途中、パリ万博に立ち寄り、「日本の陶器、西陣織、もっとも異彩を放つ」と感想を記した。

 同展は5月11日まで。一般1300円など。

 ■「永遠の女神」妻描く61点 中山忠彦展

 日本芸術院会員の洋画家、中山忠彦さん(72)の「永遠の女神」、それは良江夫人なのかもしれない。中山忠彦展の会場には初期から最新作までの油彩70点が並ぶが、このうち61点は良江さんを描いたものだ。

 出会いは、中山さん28歳の初夏。会津若松へ写生旅行に行ったローカル線に、「横顔が絵になる」女性が乗り合わせていた。恥ずかしくて口もきけず、自分の名前と住所を書いたメモを手渡して電車を降りた。

 数カ月後、良江さんからはがきが届き、半年後に上野の日展会場で再会、そして結婚。以来42年間、良江さんは1日6時間以上も辛抱強くモデルをつとめる。

 日展の初特選受賞作「椅子に倚る」は新妻を描いた3作目。貧乏所帯で豪華な衣装を買えず、嫁入り道具の刺しゅう入りの鏡掛けをエプロンに代用した。

 現在、中山さんは19世紀のアンティークドレスなど約300点を所蔵する。本物のドレスのもつ材質感と、年齢を重ねることによって深まる女性の内面性は永遠のテーマだという。

 同展は26日〜4月7日、東京・日本橋高島屋、5月14〜26日、横浜高島屋で。一般800円など。

 ■合唱の楽しさいっぱい 映画「うた魂♪」

 4月5日から公開される映画「うた魂(たま)♪」は、合唱部の高校生たちをコミカルに描きつつ、仲間と歌う魅力を伝える感動作だ。

 舞台は北海道の高校。合唱部女子部員のかすみは、意中の人や同級生から「歌っている表情が変だ」と指摘され、堂々と歌えなくなる。しかし、一生懸命に歌うヤンキー合唱部の姿に感銘し、合唱の素晴らしさに目覚めていく。

 定番曲から尾崎豊、映画初出演のゴスペラーズが本作のために書き下ろした「青い鳥」まで、幅広い楽曲を合唱するシーンが見どころだ。

 主人公かすみを好演するのは夏帆。ゴリ、薬師丸ひろ子らも出演する。

 東京・渋谷のシネクイントほか全国でロードショー。前売り1300円。

 ■魅力的なブラス曲を演奏 100万人のクラシック第3檀

 気軽にクラシックを楽しめる人気企画「100万人のクラシック」第3弾として、昨年春に大好評を博した「シエナ・ドリーム・ブラス」が帰ってくる。

 金管アンサンブルの定番曲から、世界の珍しい楽器で巡る音楽紀行、ガーシュインの名曲まで魅力的なプログラムを演奏する。ソリストは前回に続きマリンバ奏者の池上英樹。

 4月10〜29日、東京、神奈川、千葉の全11会場で。全席指定2500円。問い合わせはCCミュージックファクトリー(03・5210・9072、平日午前10時〜午後5時)へ。

 ■芸術支えたパトロンの逸品 ルーブル美術館展

 フランス国王ルイ15世の寵愛を受けたポンパドゥール夫人(1721〜64)は、18世紀の宮廷文化を支えた一人だ。サロンを開いて芸術家と交流し、パトロンとして支援した。東京・上野の都美術館で開催中の「ルーヴル美術館展」では、夫人ゆかりの品々が見られる。

 ポンパドゥール夫人は教養に富み、政治にもかかわりながら芸術振興へ情熱を注いだ。画家ブーシェらの芸術活動を支える一方、現代まで伝わる王立窯のセーブル製作所の設立にも尽力した。

 同展では、ポンパドゥール夫人の肖像画、夫人が所有したセーブル製のポプリ入れ、金製のコーヒー挽きなどの逸品が並ぶ。当時、一流の芸術家や職人が競い合った技が凝縮され、夫人が好んだ華やかな文化の一端がうかがえる。

 同展は4月6日まで。一般1500円など。

 ■(人ひとこと)ロックの精神だと感銘 吉川幸司さん 

「SE・M・PO」で初めてミュージカルの主演を務める。演じるのは「日本のシンドラー」と呼ばれ、第2次大戦中にナチスの虐殺から多くのユダヤ人の命を救った杉原千畝(ちうね)の役。「本国の指令に背いても自分が信じる正義のために命をかけた。そんな生きざまがロックの精神であり、パンクの行為だ、と感銘を受けて出演を決心しました」

 中島みゆきの曲について、「ぼくにはない日本的で叙情的な旋律」と感じており、「いい意味でそれを壊して自分の世界をつくりたい」と意欲を見せる。(4月4日から東京・名古屋・神戸で上演)

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