(2006年/98分) 監督:デトレフ・ブック
Knallhart(Detlev Buck)
ベルリンの高級住宅地から低所得者層が住む地区に引っ越したミヒャエルは、トルコ人の不良エロルに目をつけられてしまう。エロルのグループから繰り返し暴行を受け、金品を要求された彼は、やむをえずその地域のボス、ハマルの庇護下に入り、その代わりにドラッグの受け渡しを手伝うようになる。ある事件をきっかけに、ミヒャエルはハマルからエロルの<処刑>を命じられる……。近年は俳優としての活躍も目立つデトレフ・ブックが、大都市の荒廃した現実をクールなタッチで描いた必見の作品。06年ドイツ映画賞優秀作品賞、編集賞、音楽賞などを受賞。
6月11日(月)10:30
(2006年/99分) 監督:ウーテ・ヴィーラント
FC Venus(Ute Wieland)
田舎のサッカーチームのエースが負傷し、ベルリンでガールフレンドのアンナと暮らしているチームのOB、パウルが呼び戻される。あまりにも多くの時間をサッカーに捧げるパウルに幻滅したアンナは、同じ不満を抱く女性たちとチームを結成し、負ければ男たちはサッカーをやめるという条件で勝負を挑む。ただパウルらは、アンナが元ナショナルチームのメンバーであり、有名な指導者である彼女の父が敵方の監督をつとめることを知らなかった……。サッカーがドイツでどれほど大衆に根を張っているかがよく理解できる、豪華俳優陣による大ヒット・コメディー。
(2006年/97分) シュテファン・クローマー監督
Sommer ’04(Stefan Krohmer)
バルト海に面した別荘地。仲のよい夫婦アンドレとミリアムは、15歳の息子ニルスと彼のガールフレンド、12歳のリヴィアと快適なひと夏を過ごしている。近所に住む魅力的なアメリカ人男性、ビルの出現が、彼らのあいだに微妙なさざ波を立てる。ミリアムがリヴィアとふたり乗りのヨットで海に出たことから、やがて物語は衝撃的なラストを迎える。『善き人のためのソナタ』や『素粒子』でも主演するなど、現在もっとも輝いている女優マルティナ・ゲデックの魅力が最高度に発揮された作品。06年カンヌ映画祭<監督週間>で上映されて高い評価を受けた。
(2006年/89分) マティアス・ルートハルト監督
Pingpong(Matthias Luthardt)
父を自殺でなくしたばかりの16歳のパウルが、伯父夫婦が住む郊外の邸宅でひと夏を過ごすことになる。そこでは何不自由のない快適な暮らしが営まれているはずだった。だが、伯父が出張旅行に出たのをきっかけに、家族が<仮面>の下に隠していた亀裂が一気に明らかとなる……。静謐な映像のうちに激しい感情のやりとりを描いた珠玉の名品。これがデビュー作の監督ルートハルトは、<ベルリン派>のもっとも若いメンバーとして熱い注目を浴びている。06年カンヌ映画祭<批評家週間>で上映されて最優秀脚本賞を受けたほか、国内外で数多くの賞に輝いた。
6月11日(月)15:45
(2006年/95分) 監督:ハンス・シュタインビッヒラー
Winterreise(Hans Steinbichler)
60歳のブレニンガーは、かつては会社を経営して成功を収めていたが、いまは周囲の言葉に耳を貸さない哀れな暴君でしかない。会社が破産状態になっているという事実を突きつけられた彼は、妻の手術に使うはずの金をケニアでの儲け話に投資するが、それは巧妙な詐欺であった。金を取り返すためにブレニンガーは現地に乗りこむ。想像を絶する異文化の世界で、シューベルトの『冬の旅』を口ずさみながらさすらう彼には、強い覚悟があった。名優ヨーゼフ・ビアビッヒラーの圧倒的な演技、ハンナ・シグラの衰えぬ存在感には誰もが感動を覚えるだろう。
6月8日(金)12:30
(2006年/103分) 監督:クリスティアン・ヴァーグナー
Warchild(Christian Wagner)
サラエボに住むセナーダは、戦争中だった9年前に2歳の娘アイーダと生き別れになっていた。赤十字の斡旋でドイツへ送られた<戦争孤児>がいることを知ったセナーダは、娘もそのなかにいたと信じて違法に国境を越え、ドイツ入りする。ついに彼女は、ウルムの裕福なドイツ人家庭で娘が養女として幸福に暮らしていることを突き止める。ユーゴ内戦で自らも心に深い傷を負っている彼女は、この先どうすればよいのか思い惑う。戦争とは何か、国境とは何かについて見る者を深い洞察へと誘う感動的な作品。バイエルン映画賞特別審査員賞受賞。
6月10日(日)10:30
(2006年/117分) 監督:トミー・ヴィーガント
TKKG und die ratselhafte Mind-Machine(Tomy Wigand)
ギネスブックに載るほどの人気を誇る児童文学シリーズ(著者シュテファン・ヴォルフ)の映画化最新作。脳の働きを活性化する<マインド・マシーン>を発明した天才少年ケヴィンが突然姿を消し、続いて三人の少年少女も行方不明となる。四人の失踪には関連があるのか?事件の背後にいる謎の集団の正体とは?いまこそティム、クレースヒェン、カール、ガービー、仲良し四人組の探偵団<TKKG>の出番だ!『飛ぶ教室』のトミー・ヴィーガントが監督をつとめ、昨年夏に封切られて大ヒットを記録したファミリー・ムーヴィー。
6月8日(金)15:15
(2006年/84分) 監督:ゼバスティアン・シッパー
Ein Freund von mir(Sebastian Schipper)
保険会社ですぐれた成績をあげている堅物の社員カールは、実地調査のためにレンタカー会社の運転手となって働きはじめる。カールはその職場で、人生をエンジョイすることしか考えていないハンスと親しくなる。自分とは正反対のタイプのハンスと多くの時間を共有するうちに、カールの価値観は次第に揺らいでいく……。『グッバイ、レーニン!』でお馴染みのダニエル・ブリュールと、やはりトップクラスの人気と実力を誇るユルゲン・フォーゲルの<夢の競演>が楽しい。『ギガンティック』の監督シッパーが、ここでも爽やかでスピード感あふれる演出を見せている。
6月12日(火)13:15
(2007年/103分) 監督:アラン・グスポーナー
Das wahre Leben(Alain Gsponer)
家庭を顧みず、大企業の猛烈ビジネスマンとして働いてきたローラントが、突然解雇されてしまう。しかし彼には、画廊を経営する美しい妻、ふたりの立派な息子、そして何よりも自慢の豪邸があるはずだった。ところが、あらためて妻子と向き合っての生活をはじめたローラントの目に見えてきたのは、予想もしなかった<家族の真実>だった。<家族>にも豪邸にも、崩壊の瞬間が迫る……。人気と実力を兼ね備えた名優、ウルリヒ・ネーテンとカーチャ・リーマンの競演が胸に迫る、笑いと涙の秀作。『アメリカン・ビューティー』のドイツ版と評された。
6月9日(土)18:00
(2007年/125分) 監督:マリア・シュペート
Madonnen(Maria Speth)
五人の子供をもつ若い女性リタは、窃盗事件を起こしたあげく、ベルギーに住む実父の家へと逃れる。歓迎されざる客である彼女は、父の通報で逮捕されてドイツへ送還される。母子専用の刑務所から出所したリタは、黒人米兵の援助を受けてアパートを借り、子供たちとの生活をはじめる。だが、夜はいつも遅くまで遊び歩き、ろくに子供の面倒を見ない彼女の暮らしは混沌そのものである。『レクイエム』(06)でベルリン映画祭銀熊賞、ドイツ映画賞主演女優賞を受けたザンドラ・ヒュラーが<母親失格>の女性を演じる、クールで独特のユーモアにあふれた快作。
(2007年/89分) 監督:クリスティアン・ペツォルト
Yella(Christian Petzold)
いまや世界の注目を集める<ベルリン派>のリーダー、クリスティアン・ペツォルトの最新監督作。旧東ドイツのさびれた街に暮らしていた若い女性イェラは、商業の都ハノーバーに活躍の場を求める。彼女は敏腕ビジネスマン、フィリップの助手としてめざましい働きを見せるが、元夫の執拗なストーカー行為に苦しめられるだけでなく、さまざまな超常現象に遭遇して困惑する。かぎりなくリアルな映像世界で展開される、緊迫感あふれるドラマ。本年のベルリン映画祭コンペ部門に出品されて絶賛され、イェラ役のニーナ・ホスは最優秀主演女優賞を獲得した。
6月8日(金)17:45
(2006年/112分) 監督:クリス・クラウス
Vier Minuten(Chris Kraus)
60年以上も女子刑務所でピアノ教師をつとめるトラウデは、殺人罪で入所したジェニーの才能に惚れこみ、彼女をコンクールに出場させる。どう扱っても攻撃的な反応しか示さないジェニーに、トラウデは自身の少女時代を思い出しながら粘り強く指導を続ける。決勝に進んだジェニーは、はたして優勝できるのか?トラウデ役のモニカ・ブライプトロイ、ジェニー役のハンナー・ヘルツシュプルングは揃ってバイエルン映画祭女優賞に輝いた。07年ドイツ映画賞で7部門にノミネートされている、あまりにも衝撃的な<音楽映画>。今秋、シネスイッチほかで公開予定。
※本作品は当初「4minutes(原題)」としてお知らせしていましたが、邦題が「4分間のピアニスト」に決定しました。
6月11日(月)18:15
(1919年/57分=20コマ/秒)
Die Puppe
子供のいない裕福な男爵が甥のランスロを養子に迎え、すぐに結婚せよと命じる。女性恐怖症のランスロが修道院に逃げこんだところ、僧侶たちから人形と結婚することを勧められる。彼はすぐに人形師のところへ行き、等身大の女性の人形を買おうとする。ところが弟子がその人形の腕を折ってしまったため、仕方なく娘のオッシーが人形のふりをしてランスロに同行する。彼女はしばらくは器用に新婦=人形として振舞うが、鼠を怖がったことから正体を見抜かれる。まさにおもちゃ箱のような奇抜なセットのなかで楽しいギャグが連続する、遊び心に満ちた傑作。
6月11日(月)18:15
(1920年/58分=20コマ/秒)
Kohlhiesels Töchter
南ドイツの田舎の宿屋に、粗野で嫌われ者のリーゼルと、気立てがよくて誰からも愛されるグレーテルという姉妹がいた。妹のグレーテルと相思相愛のクサーヴァーが彼女の父に結婚の許可を求めると、姉が片付かないうちは駄目だといわれる。クサーヴァーは、すぐに離婚すればよいと考えてまず姉と結婚するが、驚いたことにリーゼルは愛らしく従順な新妻となった……。当時のドイツを代表する大女優、ヘニー・ポルテンが対照的な姉妹を一人二役で演じてのけた。冬のバイエルンの農村を舞台に、高度な撮影技術を投入して撮られた喜劇。
6月10日(日)18:00
(1919年/113分=20コマ/秒)
Madame Dubarry
それまで小規模な喜劇で名声を築いてきたルビッチがはじめて手がけた歴史大作。パリの帽子屋でお針子として働くジャンヌには、恋人のアルマンがいる。アルマンが恋のさや当てから殺人を犯して逮捕されたのち、ルイ15世の目にとまったジャンヌは愛人として宮中に暮らすことになる。しかし国王の死後、蜂起した民衆によって彼女は死刑を宣告される。ジャンヌのおかげで釈放され、革命家となっていたアルマンも彼女を救うことができない……。諸外国で上映され、主演のポーラ・ネグリとエーミール・ヤニングスも世界的な認知度を高めた。





















