【南禅寺と石川五右衛門】
南禅寺といえば、正面にそびえ立つ三門が思い浮かぶだろう。高さは22メートルにおよび、そこに登ると今でも京都の市中がよく見渡せる。寛永5年(1628)伊勢・伊賀の大名であった藤堂高虎(とうどうたかとら)が寄進したものである。この三門が特に有名なのは、天下の大盗賊として知られる石川五右衛門が棲んでいたという言い伝えがあるからである。歌舞伎の『楼門五三桐』(ろうもんごさんのきり)にその話が見え、さらに五右衛門が楼上で大きな鬘(まげ)に派手などてら姿で太い煙管(きせる)をくゆらせながら、「絶景かな、絶景かな」と大見得を切る場面が含まれる。実際には三門は五右衛門の死後に建立されたのでもちろん史実ではないが、この三門と五右衛門の組合せは絶妙といえる。
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