世界報道写真展とは

「世界報道写真展」は1955年にオランダのアムステルダムで、世界報道写真財団が発足したことに より、翌年から始まったドキュメンタリー、報道写真の展覧会です。毎年、1月から2月にかけて前年に撮影された写真を対象にした「世界報道写真コンテスト」が開かれ、国際審査員団によって入賞作品が選ばれます。十数人から成る審査員団は毎年メンバーを替えて、

審査の中立性を保つ努力がなされています。今年の「第56回 世界報道写真コンテスト」には、124の国と地域、5,666人のプロの写真家から、合計10万3,481点の作品が応募されました。1年を通じて、世界の約100会場で開かれる本展は、約200万人が会場に足を運ぶ世界最大規模の写真展です。

ポール・ハンセン(スウェーデン)ダーゲンス・ニュヘテル紙 パレスチナ自治区ガザ(=11月20日)

33の国と地域から54人が今年、コンテストでの入賞を果たしました。コンテストの部門は全部で9つ。さらにそれぞれが「単写真(写真1枚)」と「組写真(複数の写真で構成)」に分かれています。入賞者は部門毎に各1位から3位までのいずれかに該当します。入賞者の中から、その年の最も優れた写真1点に対しては「世界報道写真大賞」が贈られます。今年の大賞受賞者はスウェーデン人の写真家ポール・ハンセン氏に決まりました。パレスチナのガザ地区でイスラエルのミサイル攻撃によって死亡した子どもたちを、絵画的な光の中で葬儀場所へと運ぶ男性たちの表情には深い悲しみと怒りが凝縮され、忘れがたいイメージを見る物に植え付けます。審査員の1人は「大人たちの怒りや悲しみと子どもたちの純真無垢が醸すコントラストにより、写真が強さを備えている」と評しています。

日本大震災から1年後の2012年3月、オーストラリアの写真家ダニエル・ベレフラク氏は岩手県陸前高田市で傷痕の癒えない町と人々の様子を撮影し、入賞を果たしました。ニュース性の高い混迷する中東情勢はたしかに多くの作品で見ることができますが、日本もまた世界の一角であり、震災の記憶と爪痕を今も多くのジャーナリストが取材し続けています。

「一般ニュース」 の部 組写真3位 ダニエル・ベレフラク (オーストラリア)ゲッティ・イメージズ 岩手県陸前高田市  (=3月7日)

ンズを通して 広い世界で起きている現実を見つめる貴重な機会を、本展は提供します。地球の片隅で生きる人々の声なき声、ニュースでは流れなかった知られざる事実、さまざまな出来事の新たな側面を、展示作品約160点から感じてください。